
京都市交通局は7月30日、来年2022年春の営業運転開始を目指す烏丸線の新型車両について、車内外に取り付ける局章と車号・事業者標記銘板のデザインを発表した。
局章は1編成6両につき合計4個、先頭1・6号車の側面運転台後方に設置される。材質はアルミで、金属工芸の「鎚起(ついき)」と呼ばれる技法を活用。金属板を鎚(つち)でたたいて凹凸状の鎚目(つちめ)模様を入れた。色は新型車両のラインカラーである緑色(エメラルドグリーン)だ。

車号・事業者標記銘板は、1・6号車の車内客室と運転室仕切壁にそれぞれ2個ずつ設置。鉄をベースに小さな金づちで純金銀をはめ込む「京象嵌(きょうぞうがん)」の技法を使用した。標記銘板の四隅には、有職文様で縁起が良いとされている「幸菱(さいわいびし)」を施した。

交通局は新型車両の外観や内装に京都の伝統産業の素材や技法を活用することをすでに明らかにしており、局章と車号・事業者標記銘板のデザインを今回発表した。今後も2回、京都の伝統産業素材・技法を活用したデザインについて発表していくとしている。


烏丸線の新型車両は2017年頃から検討を開始。昨年2020年4月から製造が始まり、今年2021年7月に1編成目が同線の車両基地に搬入された。今後、各機器の調整・機能検査や試験運転などが行われ、来年2022年春の営業運転開始を目指す。これにより現在の烏丸線の車両20編成のうち9編成を、2021年度から2025年度にかけ新型車両に置き換える計画だ。
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