全線廃止済み秋田臨海鉄道で「運転体験」5月に開催 もとラッセル機関車「DE10 1251」使用



運転体験会で使われるディーゼル機関車のDE10 1251。【画像:秋田臨海鉄道】

3月限りで営業を終了した貨物鉄道会社の秋田臨海鉄道は5月1・2日の計2日、「最初で最後の国鉄型ディーゼル機関車運転体験会」を開催する。

秋田県民限定で、募集人数は2日間でのべ28人。1時間ごとに二人単位で実施する。参加できるのは中学生以上だが、小学生以下の子供一人に限り同行できる。機関車運転体験のほか車庫などの構内見学、参加者限定の部品などのオークションを実施。記念DVDや運転体験証明書、車票など秋田臨海鉄道の資料も付く。

所要時間は一人につき1時間半(構内見学時間を含む)。一人あたり直線の往復で約1.5km程度の運転になる。料金は2万5000円。秋田臨海鉄道のウェブサイトで公開している申込書に必要事項を記入し、電子メールかファクスで送る必要がある。申込みの締切は4月18日。

運転体験で使われる機関車は、ディーゼル機関車のDE10形1251号機。もとは国鉄のDE15形2526号機で、先頭部に専用のラッセル式除雪車を連結して除雪作業を行えるのが特徴だ。JR北海道を経て秋田臨海鉄道に移り、3月12日の最終列車をけん引した。

秋田臨海鉄道は、JR貨物の秋田港駅と臨海地区を結ぶ貨物線を運営していた第三セクター。北線・秋田港~秋田北港の2.5kmと南線・秋田港~向浜間の5.4kmを結んでいた。輸送量の減少から2008年に北線の運行が終了。南線も今年2021年3月12日限りで運行を終了し、同月31日に北線・南線ともに廃止された。このため、今回の運転体験会は元機関士を招請して開催する。

秋田臨海鉄道は今後、会社清算のめどが立ったら解散する方針だが、解散の具体的な時期は決まっていない。

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