近畿JR線の終電繰り上げは12線区 姫路など東京発「最終新幹線」からの乗り継ぎ不可に



JR西日本は9月18日、来年2021年春のダイヤ改正で実施する近畿エリアの深夜帯ダイヤの見直しについて、具体案を発表した。計12線区で48本の列車を削減し、終電の時刻を繰り上げる。

深夜帯ダイヤの見直し対象となる線区。【画像:JR西日本】

今回発表されたのは、平日の終電時刻。大阪駅の終電は、JR神戸線の西明石行き終電が24分繰り上げの0時04分に。ほかの方面は大阪環状線(西九条方面)の天王寺行きを除き、1~25分繰り上がる。京都駅の終電は、琵琶湖線の米原行き終電がいまより20分繰り上がって23時37分に。ほかの方面も12~30分繰り上がる。

東京発の新大阪行き最終新幹線「のぞみ265号」(京都23時31分着、新大阪23時45分着)から乗り継いで、到達できる駅も示された。見直しが実施された場合、琵琶湖線の篠原~米原間とJR神戸線の大久保~姫路間、学研都市線の忍ケ丘~松井山手間、大和路線の法隆寺~郡山間の各駅とJR難波駅は、最終新幹線からの乗り継ぎができなくなるとしている。

東京発の最終新幹線から乗り継ぎできる範囲(青、ダイヤ見直し後)。【画像:JR西日本】

見直しの対象となった線区は、次の通り。

大阪環状線:大阪~天王寺~大阪
JR東西線:京橋~尼崎
JR神戸線:大阪~姫路
JR宝塚線:大阪~新三田
JR京都線:京都~大阪
阪和線:天王寺~和泉砂川
大和路線:加茂~JR難波
学研都市線:京田辺~京橋
嵯峨野線:京都~園部
奈良線:京都~奈良
湖西線:京都~永原
琵琶湖線:米原~京都

JR西日本は8月26日、終電時刻の繰り上げを実施すると発表。その背景には、保守作業に従事する作業員が急速に減っていることがある。

終電を繰り上げることで深夜・未明の作業時間を拡大し、保線機械を使った効率的な作業を増やすことや、夜間作業日数の低減などを図ることが可能に。これにより労働環境の改善を図るという。また、近年の帰宅時間の早まりで深夜帯の利用者が減少していることもあり、同社は終電の繰り上げに踏み切ることにした。