青函トンネル「竜飛斜坑線」値上げへ 竜飛岬とトンネル避難所結ぶケーブルカー



一般財団法人青函トンネル記念館(青森県)は2月9日、同館が運営するケーブルカー「竜飛斜坑線」の上限運賃変更認可を申請した。

青函トンネル記念館のケーブルカー。【撮影:草町義和】

申請通り認可された場合、普通旅客運賃の上限は片道600円・往復1200円に。現在の上限運賃より往復で200円の値上げになる。

青函トンネル記念館によると、利用者数は年度によって増減はあるものの減少傾向が続いており、竜飛斜坑線の収支も赤字が続いている。2019年度の収支は559万7000円の赤字。これまで人件費の抑制や人員配置の効率化、経費削減、観光業者などへの営業活動を行ってきたが「自助努力をもってしても抜本的な収支改善にはつながっておりません」とし、値上げを申請したという。

竜飛斜坑線は、本州の竜飛岬近くにある地上の青函トンネル記念館と、地下にある青函トンネルの避難所・保線基地(竜飛定点)付近の体験坑道駅を結ぶ、全長0.8kmのケーブルカー。青函トンネルの工事で斜坑に設置した作業員・資材輸送用ケーブルカーを同トンネルの見学客向けに活用したもので、鉄道の営業路線としては1988年7月に開業した。

竜飛斜坑線を含む青函トンネル記念館の営業は毎年4月から11月までで、現在は冬季閉館中。2021年度は4月23日から営業を再開する予定だ。