阪神電鉄「赤胴車」武庫川団地内で静態保存 URと連携協定



阪神電気鉄道(阪神電鉄)と都市再生機構(UR)西日本支社は3月16日、阪神沿線のUR賃貸住宅団地を中心とした地域の活性化を目指した包括連携協定を締結した。連携の一環として、阪神電鉄の「赤胴車」をURの武庫川団地(兵庫県西宮市)で静態保存する。

「赤胴車」の設置イメージ。【画像:阪神電鉄・UR西日本支社】

阪神電鉄の武庫川線で運用されている「赤胴車」の7890・7990形電車4両(2両編成2本)のうち1両をURが譲り受け、URは2021年春をめどに武庫川団地内に設置する。地域の人が交流するコミュニティスペースとして活用する予定という。

1958~1959年に阪神電鉄の急行用として製造された3301・3351形電車は、車体上部をクリーム色、下部(胴回り)を赤系統のバーミリオンで塗装。当時人気の漫画キャラクターだった「赤胴鈴之助」にちなんで「赤胴車」と呼ばれた。

その後に製造された特急・急行用車両も、1995年までこのデザインを採用。阪神電鉄の代表的な車体デザインのひとつとして定着したが、老朽化による引退やリニューアルによる塗装変更で徐々に数を減らし、いまは武庫川線用の7890・7990形4両だけになった。この4両も2020年度内に武庫川線での運用を終了する予定だ。

阪神電鉄の本線や神戸高速線を走っていた頃の「赤胴車」。【撮影:草町義和】