南海高野線の堺市内高架化、都市計画素案まとまる 一部は盛土・掘割、来夏に決定へ



大阪府堺市は、南海電気鉄道(南海電鉄)高野線を高架化する連続立体交差事業(連立事業)の都市計画素案をまとめた。10月31日から実施している説明会で提示し、事業認可や高架工事完了の予定時期も示した。

連立事業区間の縦断面図。浅香山駅と堺東駅を含む区間を盛土や高架、掘割で立体化する。【画像:堺市】

素案によると、連立事業の区間は遠里小野町4丁地内(市界)~向陵西町4丁地内の約3530m。大和川から浅香山駅と堺東駅を経て、仁徳天皇陵古墳の近くまで線路を連続的に立体化し、踏切10カ所を解消する。

構造は遠里小野町3丁地内~榎元町2丁地内の約2540mが嵩上式で、それ以外の約990mは地表式。大和川から浅香山駅の北側までは盛土構造で、ここから堺東駅の少し南まで高架構造を採用する。その先の榎小学校付近は盛土構造、さらにその先は掘割構造だ。

南海高野線の上を通っている大阪府道堺大和高田線は現在の構造のまま残り、高野線がその上をまたぐ形になる。また、榎小学校付近より先は現在の高野線が大阪中央環状線の下をくぐっているため、現在の線路に接続させる。

線路の高さは、浅香山駅付近が約8m、浅香山~堺東間の中間が約13m、堺東駅周辺が約18m。掘割構造の部分は最大で約4mほど低い位置になる。

堺東駅周辺の浅香山5号踏切付近から工事中の再開発ビル付近までは、仮線を建設するスペースを確保するのが困難として、直上工法を採用。それ以外の部分は仮線工法で建設する。

このほか、浅香山駅前に2800万平方mの交通広場を整備。高野線の側道や浅香山駅前につながる道路も整備する。

堺市は今後、本年度2020年度中に都市計画案を作成し、来年2021年8月頃に都市計画変更を決定する方針。事業認可は2022年3月頃、高架工事の完了は2040年度頃の予定だ。