「SL人吉」の客車に乗って博多~熊本間を往復ツアー 一部不通の肥薩線を「応援」



JR九州とクラブツーリズムは、機関車がけん引する客車列車に乗って鹿児島本線・博多~熊本間を往復する日帰りツアーを企画した。実施日は11月7・8日の計2日。

「SL人吉」で使われている50系客車の車内。【画像:クラブツーリズム】

肥薩線のSL列車「SL人吉」で使われている50系客車を使用。けん引する機関車の種類や形式・番号は明らかにされていない。座席は一人につき2席分を確保する。

運行時刻は、往路が博多9時00分頃発→熊本11時40分頃着、復路は熊本15時00分頃発→博多17時00分頃着。往路は原田駅、復路は大牟田駅で「休憩」停車が行われ、ドアが開く。熊本でのランチが付く。

旅行代金は2万円だが、「GoToトラベル」対象商品のため、支払実額は1万3000円になる。募集人数は60人。申込はクラブツーリズムのウェブサイトで受け付けている。

肥薩線は2020年7月豪雨で橋りょうが流出するなどの甚大な被害が発生し、八代~人吉~吉松間が運休中。復旧には膨大な費用と長い時間がかかるとみられ、再開のめどは立っていない。運休中の区間を含む熊本~八代~人吉間の「SL人吉」も運転を見合わせており、クラブツーリズムは肥薩線の「応援企画」として、50系によるツアーを企画した。

50系は、1977年から1982年にかけて製造された国鉄の普通列車用の客車。開発当時、機関車がけん引するタイプの普通列車は、1920年代から1960年代にかけて製造された古い客車が使われており、ドアは手動だった。50系は自動ドアを採用して安全性の向上を図ったのが特徴だ。現在は定期運転の列車では運用されておらず、「SL人吉」などの臨時列車で内外装をリニューアルした50系が使われている。