ひたちなか海浜鉄道のキハ205が定期列車に増結運転 国鉄キハ20形「最後の現役車」



ひたちなか海浜鉄道(茨城県)は10月10・11日の2日間、湊線でキハ205気動車(もと国鉄キハ20系気動車)を一部の列車に増結して運転する。

もと国鉄キハ20形のキハ205。【撮影:草町義和】

JR東日本が大宮駅から常磐線・湊線が連絡する勝田駅まで臨時快速「花咲くひたち海浜公園号」を運行するのに伴うもの。キハ205が増結される列車は次の通り。いずれも編成の阿字ケ浦寄りに連結される。

那珂湊9時48分発→阿字ケ浦9時59分着
阿字ケ浦10時10分発→勝田10時37分着
勝田10時43分発→阿字ケ浦11時10分着
阿字ケ浦発11時19分発→那珂湊11時30分着

キハ20系は1957年から1966年にかけ、国鉄線の普通列車用として1126両が製造された気動車。軽量構造の車体を採用することで従来の車両より車体を大型化し、輸送力を強化した。

ひたちなか海浜鉄道のキハ205はキハ20系のうち、エンジン1台を搭載して車体両側に運転台を設けたキハ20形(キハ20 522)として1965年に製造され、1987年の国鉄分割民営化でJR西日本が承継。のちに水島臨海鉄道(岡山県)を経て1996年に茨城交通(現在のひたちなか海浜鉄道)に移った。

国鉄キハ20形として製造された気動車で、現在も国内の鉄道路線の営業運転に使われているのは、ひたちなか海浜鉄道のキハ205のみ。老朽化が進み、近年は定期運転の列車で使われることも少なくなった。ひたちなか海浜鉄道は「旧国鉄キハ20最後の現役車が定期列車として運転される貴重なこの機会、是非足をお運びください」と呼びかけている。

このほか、キハ20系のうちキハ20形と同じ両運転台タイプで、エンジンは2台搭載したキハ52形が1両、いすみ鉄道(千葉県)で運用されている。