大阪府が鉄道の高架化や地下化の推進を国に要望へ



大阪府は11月27日、財務省と国土交通省に対し、連続立体交差事業(連立事業)を着実に推進するよう要望活用を行うと発表した。要望日は12月3日の予定。

阪急線の淡路駅付近で行われている連立事業。【撮影:2017年2月、草町義和】

連立事業は、鉄道の線路を高架化、または地下化することで複数の踏切を一挙に解消し、道路渋滞の緩和を図る事業。鉄道の利便性向上より道路交通の改善が主な目的のため、事業費の大半は国と自治体が拠出している。

発表された要望書によると、2018年6月に発生した大阪府北部地震では踏切が長時間に渡って遮断されて緊急車両などが通れなくなったことから、連立事業の重要性を認識。また、工事が遅れると、鉄道事業者の運営や府民の安全確保、地域経済の活性化に大きな影響を及ぼすことことが懸念されるという。

こうしたことから要望書は、連立事業を計画的かつ着実に推進できるよう、予算枠の確保を求めている。

大阪府域で実施されている連立事業は次の通り。

●京阪本線連続立体交差事業(香里園駅~枚方公園駅付近)
・2020年度の事業内容:用地買収
・完了予定年度:2028年度

●南海本線・高師浜線連続立体交差事業(羽衣駅~高石駅付近)
・2020年度の事業内容:高架化工事
・完了予定年度:2025年度(調整中)

●近鉄奈良線連続立体交差事業(若江岩田駅~東花園駅付近)
・2020年度の事業内容:側道工事等
・完了予定年度:2024年度(調整中)

●阪急電鉄京都線連続立体交差事業(摂津市駅付近)
・2020年度の事業内容:用地買収
・完了予定年度:2033年度

●阪急電鉄京都線・千里線連続立体交差事業(淡路駅付近)
・2020年度の事業内容:高架化工事
・完了予定年度:2027年度(調整中)

●JR東海道線支線地下化事業(うめきた2期)
・2020年度の事業内容:地下化工事
・完了予定年度:2023年度

●南海本線連続立体交差事業(諏訪ノ森駅~浜寺公園駅付近)
・2020年度の事業内容:仮線工事
・完了予定年度:2027年度

●南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)
・2020年度の事業内容:調査設計
・完了予定年度:未定