茨城県ひたちなか市とひたちなか海浜鉄道の2者は10月31日、地域交通法に基づき湊線の鉄道事業再構築実施計画の認定を申請した。いわゆる「みなし上下分離」の経営に移行する。

実施計画の対象線区は、ひたちなか海浜鉄道が運営する湊線・勝田~阿字ヶ浦~新駅2(仮称)の17.4km。このうち阿字ヶ浦~新駅2の約3.1kmは未開業の延伸区間だ。
従来通りひたちなか海浜鉄道が第1種鉄道事業者として運営するが、延伸区間の整備費に加え既存の鉄道施設などの更新や維持・修繕の費用を自治体が拠出。実質的に公有民営の上下分離方式の経営体制に移行する。このほか、利便性向上施策として那珂湊駅と延伸区間に新設される2駅にキャッシュレス券売機を導入。那珂湊駅ではトイレの洋式化も行う。
実施計画の期間は2026~2035年度の10年間で、事業費は約126億円を見込む。2者は来年度2026年度から延伸区間の詳細設計や地質調査などの事業に着手する予定としており、ひたちなか市は2026年度当初予算案に設計・調査費を盛り込む方針。

ひたちなか海浜鉄道は湊線の延伸区間について、2021年1月に第1種鉄道事業許可を取得。当初は2024年春の開業を予定していた。しかしコロナ禍の影響で関係機関との調整が滞ったうえ、物価高騰などで事業費が増大する見込みになったことから事業に着手できなかった。
その後、ひたちなか市とひたちなか海浜鉄道は計画の見直しを実施。中間の新駅1駅(仮称)の位置を海浜公園南口付近に変更したうえで、まず阿字ヶ浦~新駅1を第1期区間として先行整備することを決めた。昨年2024年11月、ひたちなか海浜鉄道は第1期区間の工事施行認可を受けていた。
2者が今回申請した実施計画が認定された場合、国の社会資本整備総合交付金の交付対象になり、延伸区間の財源のめどが立つことになる。
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