宇都宮市はライトラインの西側延伸について、整備区間の宇都宮駅東口~教育会館前(仮称)4.9kmのうち宇都宮駅東口~裁判所前(仮称)2.5kmの工事を先行させる方針を固めた。9月3日、佐藤栄一市長が市議会で明らかにした。

佐藤市長はライトラインの西側延伸について、昨年2024年11月の市長選で2030年の運行開始を公約として掲げて当選。しかし今年2025年8月、宇都宮市は2030年の開業は困難との見通しを示していた。
ライトラインの西側延伸区間はJR線との交差部付近を除くほぼ全線で、既設道路の路面に軌道を敷設する併用軌道を採用する。この場合、道路内に軌道の敷設スペースを確保できるかどうかが課題になる。
佐藤市長は「2030年開業の目標を掲げた時点では道路拡幅を伴わない整備を想定し、実現可能と見込んでいた」と述べる一方、「その後、軌道運送高度化実施計画の策定に向け関係機関との協議を重ねるなか、裁判所前~教育会館前の区間は多くの道路拡幅とそれに伴う用地補償、電線共同溝などの地下埋設物の移設が必要であることが明らかになり、2030年の開業が厳しい状況となった」と釈明した。


このため佐藤市長は工事の着手時期について「現時点では2028年内を目指している。まずは用地取得が不要な宇都宮駅東口~裁判所前の工事に着手するとともに、裁判所前~教育会館前は用地取得を進める」と述べ、宇都宮駅寄りの区間の工事を先行して進める考えを示した。
開業目標時期については「現在、スケジュールの精査を進めている。具体的には(10月をめどに申請する)軌道運送高度化実施計画のなかで示す」として明らかにしなかった。宇都宮駅東口~裁判所前の工事を先行させる場合、この区間が先行して完成、開業する可能性も出てくるが、それについては佐藤市長は触れなかった。
ライトラインは2018年、東側区間の宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地14.6kmが着工。この時点では2022年3月の開業を目指していた。しかし新たな地盤補強対策が必要になったことなどから1年半ほど遅れ、2023年8月に開業した。
開業の延期が確実になった2021年1月以降、宇都宮市は工事が先行して完了する区間の先行開業も検討した。しかし、先行開業区間の営業運転と全線開業に向けた試運転などを同一路線上で並行して行う必要があり、全線開業時期のさらなる遅れなどの影響が見込まれるとして、一部区間の先行開業を最終的に断念している。
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