JR九州「QRデジタル切符」長崎で実証実験 日本信号が開発、紙の切符への引替不要



JR九州と日本信号は3月10日、スマートフォンで利用できるデジタル切符の実証実験を長崎県内のJR線で開始した。日本信号が開発したウェブサイトでデジタル切符を発売し、紙の切符に引き替えることなく利用できる。

「デジタルきっぷ」の発売区間に含まれる大村線の彼杵駅。【撮影:草町義和】

実証実験で発売されているのは「JR九州 片道デジタルきっぷ(片道)」。日本信号が開発した会員制のウェブサイト「よか旅Signal.com」で購入できる。このサイトで乗車駅と降車駅を選択すると、サイト上で運賃計算を行ったうえで「デジタルきっぷ」が発売される。発売額は通常の片道運賃と同額。

駅の入出場時には、スマホ画面にQRコード付きの「デジタルきっぷ」を表示し、駅にあるQRコード読取端末にかざす。読取端末がない駅の場合、「デジタルきっぷ」画面からカメラを起動し、改札口に掲示されていQRコードを読み取って入出場する。駅の窓口で紙の切符に引き替える必要はない。

「デジタルきっぷ」購入画面のイメージ。【画像:JR九州・日本信号】
「デジタルきっぷ」券面と利用イメージ。【画像:JR九州・日本信号】

「デジタルきっぷ」を利用できる範囲は長崎本線・諫早~長崎と佐世保線・早岐~佐世保、大村線・早岐~諫早で、次の32駅。同じ長崎県内でも長崎本線・小長井~諌早と佐世保線・三河内~早岐では利用できない。

●長崎本線
諫早・西諌早・喜々津・市布・肥前古賀・現川・浦上・長崎・東園・大草・本川内・長与・高田・道ノ尾・西浦上

●佐世保線
早岐・大塔・日宇・佐世保

●大村線
ハウステンボス・南風崎・小串郷・川棚・彼杵・千綿・松原・大村車両基地・竹松・新大村・諏訪・大村・岩松

JR九州と日本信号によると、既存のデジタル乗車券はあらかじめ区間を指定した乗車券やフリー切符が主流。今回の実証実験のように運賃計算を行ってデジタル切符を販売し、QRコード判定で改札を通過できる仕組みは全国でも先進的な取組という。

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