JR西日本は10月25日、西日本各地を運行する新しい観光列車の列車名を「はなあかり」に決めたと発表した。まず第1弾として、来年2024年10月から北陸・近畿エリアの敦賀~城崎温泉で運行を開始する。
「はなあかり」はキハ189系特急型気動車を改造して導入する3両編成の観光列車。デザインはJR西日本の117系電車「WEST EXPRESS 銀河」や273系電車「やくも」と同じ、イチバンセンの川西康之代表取締役が監修した。
列車名は「地域に光があたり、地域が華やぐイメージを持たせ、さまざまな地域のとっておきの『あかりを灯す』列車」であることを表現したという。同時に発表されたロゴマークは「やわらかなタッチで列車の優雅さ、地域とのつながり」を表現したとしている。
内外装のデザインの詳細も同時に発表した。外装は沿線や駅舎に映えるよう、はかまなどの紋付き染めで最高級とされる「檳榔子染め(びんろうじぞめ)」の色をベースにする。これを金色のツタで装飾し、「地域とのつながり」「お客様との縁」が結ばれることを表現するという。
車内は日本の四季を彩る草花をモチーフとした「華やかな和」の色彩を展開してデザイン。2・3号車はグリーン車で、窓に沿って大きなテーブルを設けた開放席と、パーティション付きの2人用・4人用ボックス席を配置する。3号車には車椅子スペースも設けられる。
1号車は新たに「スーペリアグリーン車」という、グリーン車よりグレードの高い設備に。2人用の半個室タイプの座席を設ける。スーペリアグリーン車の料金は未定。
「はなあかり」は北陸新幹線・金沢~敦賀の延伸開業から7カ月後に始まる観光キャンペーン「北陸デスティネーションキャンペーン」(北陸DC、2024年10~12月)にあわせ、敦賀~若狭・丹後地方~城崎温泉で運行を開始する予定。JR西日本は「広域に観光していただくことで、(北陸新幹線の)敦賀開業の効果を広く波及させてまいります」としている。その後はエリアを変えながら西日本各地で運行される計画だ。
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