JR東日本、気仙沼線と大船渡線の一部廃止を届出 震災で不通、BRT継続運行が確定へ



JR東日本は11月12日、東日本大震災で被災した気仙沼線と大船渡線の不通区間について、鉄道事業の廃止を届け出た。遅くとも2020年11月13日までに廃止される。

BRTによる代行輸送が行われている気仙沼線。線路敷地を舗装した専用道をバスが走っている。【撮影:2013年9月、草町義和】

気仙沼線は、前谷地~柳津~気仙沼間72.8kmを結ぶローカル線。大船渡線は一ノ関~大船渡~盛間の105.7kmを結んでいる。このうち太平洋岸の気仙沼線・柳津~気仙沼間55.3kmと大船渡線・気仙沼~盛間43.7kmは、2011年3月の東日本大震災で路盤流失などの被害が発生。現在はバス高速輸送システム(BRT)による代行輸送が行われている。

JR東日本と沿線自治体はBRTを継続運行することで合意済み。JR東日本は「将来にわたりBRTを運行するための課題整理等の目途が概ね立ってきた」として、鉄道事業の廃止を届け出た。

これを受け、国土交通省の東北運輸局は意見聴取の実施を公示した。意見聴取申請書の提出期限は公示日より10日以内。実施日は実施予定日の10日前までに通知される。

届出上の廃止予定日は1年後の2020年11月13日。鉄道事業法では廃止の1年前までに国交相に届け出なければならないと定めている。ただし意見聴取などの結果、廃止予定日の前に廃止しても問題ないと国交相が判断した場合、廃止予定日を繰り上げることもできる。