札沼線「最終運行」4月に前倒し 5月に廃止の北海道医療大学~新十津川間



JR北海道は4月15日、来月5月7日付け(5月6日限り)で廃止する札沼線・北海道医療大学~新十津川間の運転について、新型コロナウイルスの感染拡大を受けゴールデンウィーク前に休止すると発表した。定期列車の最終運転日は4月24日になる。

ゴールデンウィーク前の休止が決まった札沼線。【画像:まこりげ/写真AC】

廃止の直前には「お名残乗車」により利用者が増えることから、JR北海道は4月3日、臨時列車の運転(4月11日~)や全列車の指定席化(5月2日~)を発表。これにより混雑を抑え、新型コロナウイルスの感染拡大を防止することにしていた。

しかし、JR北海道は「新型コロナウイルスの感染拡大と『緊急事態宣言』により、対象地域からの来場の自粛をお願いせざるを得ない事態」になったとし、ゴールデンウィーク入りする前の4月24日限りで定期列車の運転を終了することにした。最終運転日までは新十津川行きの列車で車両を増結し、4月14~17日は2両編成、4月18~24日は4両編成にするという。また、4月27日には沿線4町住民向けの「ラストラン運行」を行う予定だ。

新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が発出されていることなどから、JR北海道は沿線町外からの乗車や写真撮影などを控えてほしいと呼びかけている。さらに「不測の事態により最終運行を繰り上げる場合があります」としており、写真撮影などで危険な行為が確認されるなどすれば、その時点で運転を終了する可能性もありそうだ。

札沼線は、函館本線の桑園駅から分岐して新十津川駅までの76.5kmを結ぶ鉄道路線。このうち桑園~北海道医療大学間は札幌圏の通勤路線として発展したが、北海道医療大学~新十津川間は利用者が少なく廃止が決まった。代替バスは4月1日から運転を開始しており、最終運転の前倒しによる影響は小さいとみられる。