JR東海は9月29日、東海道新幹線に定位置停止制御(TASC)を導入すると発表した。将来の自動運転システムの導入に向けた取組の一つ。

TASCは車両に搭載した装置が速度や位置情報に基づき自動でブレーキを動作させ、列車を所定の位置に停止させる装置。来年2026年秋に東海道新幹線の全駅に導入し、すべての営業列車で運用を開始する。
JR東海によると、新幹線の営業列車にTASCを導入するのは初めて。運転士による手動のブレーキ操作に比べ停止にかかる時間を短縮し、ダイヤの安定性を向上させることができる。ホームドアのドア幅も短くすることができ、今後の設置を予定しているホームドアの本体コスト削減も見込めるという。

JR東海はTASC導入後、2028年ごろに自動運転レベル「GoA2」の自動運転機能を搭載した車両を導入する計画。運転士が運転台でドア開閉を行うための機能も同時に導入するとしている。
GoA2は「半自動運転」とも呼ばれる運転士支援型の自動運転。運転士がボタンを押すことで発車し、自動運転システムが演算処理を行うことで自動的に加速や減速を行い、定められた時刻に駅を通過したり停車したりする。運転士が乗務しないドライバーレスの自動運転は行わない。
JR東海はTASCの技術開発の見込みが立ったとして、GoA2レベルの自動運転に先行してTASCを導入するとしている。
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