JR小野田線と船木鉄道「共通乗車制度」活性化目指し実証事業 夜間増発も



山口県山陽小野田市などで構成されるJR小野田線活性化委員会とJR西日本は8月21日、小野田線沿線地域の公共交通活性化に向けた実証事業を行うと発表した。JRの定期券で路線バスを利用できるようにする「共通乗車制度」を展開するほか、小野田線の増発も行う。

小野田線の長門本山駅で発車を待つ普通列車。【画像:雁坂出版社/写真AC】

共通乗車制度は小野田線のうち、山陽小野田市内の小野田~雀田~長門本山を含むJR定期券の利用者が対象。小野田線と並行する区間で船木鉄道が運行している路線バス(船鉄バス)をJR定期券でも利用できるようにする。利用に際してはJR定期券のほかJR西日本のアプリ「WESTER」が必要。具体的な利用方法は9月中旬をめどに案内する。

小野田線(青)と船鉄バス(赤)の共通乗車制度導入区間。【画像:JR小野田線活性化委員会・JR西日本】

このほか、実証事業の期間中は夜間に1往復増発する。運行区間は宇部線への乗り入れを含む宇部新川~小野田で、時刻は宇部新川21時13分発→雀田21時26分発→小野田21時42分着と小野田22時19分発→雀田22時35分発→宇部新川22時47分着。小野田線は2021年3月のダイヤ改正で最終便が2時間ほど前倒しされていたことから、実質的には従来の最終便を復活させる形になる。

実証事業の期間は10月1日から来年2026年3月31日まで。活性化委とJR西日本は共通乗車の実施や夜間増発で「公共交通の利便性を高め、沿線地域の公共交通の活性化を図るとともに、ご利用ニーズを調査します」としている。

小野田線は居能~雀田~小野田の11.6kmと雀田~長門本山の2.3kmで構成されるJR西日本の鉄道路線。旅客輸送密度は国鉄時代の1977~1979年度が2535人で、JR西日本が経営を引き継いだ1987年度は1479人だった。しかし自動車交通の普及や人口減少の影響で利用者が減少。コロナ禍が本格化する前の2019年度は444人で、JR西日本発足時から7割減少した。昨年度2024年度は391人だった。

かつて小野田線で運行されていたクモハ42形電車。【撮影:草町義和】

こうしたことから小野田線の活性化策として、鉄道とバスの連携による共通乗車制度の導入が浮上。昨年2024年11月から今年2025年3月まで、沿線の小野田工業高校の生徒を対象に共通乗車のモニター調査が行われた。調査結果によると、期間中にバスの利用が116回確認された。とくに小野田線の列車が運行されていない11時台の利用が多く、実質的に小野田線の列車を増発する形になった。

鉄道の切符で並行するバスにも乗れる共通乗車は、JR四国の牟岐線やJR東日本の山田線で導入されている。

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