平成筑豊鉄道(福岡県)は7月31日、鉄道旅客運賃の上限変更認可を国土交通省の九州運輸局長に申請した。認可された場合、平成筑豊鉄道は10月18日に運賃を改定。伊田線・糸田線・田川線は平均で2割ほど値上げし、門司港レトロ観光線も現行の1.7倍近くになる。

平成筑豊鉄道は筑豊エリアの伊田線・糸田線・田川線と、観光トロッコ列車が走る北九州エリアの門司港レトロ観光線で運賃体系が分かれている。平成筑豊鉄道は今回、全線の上限変更認可を申請した。
伊田線・糸田線・田川線の場合、普通旅客運賃の上限は、初乗り(1~3km)が現行220円のところ50円値上げの270円。直方~金田や犀川~行橋など10~12kmの区間は80円値上げの450円、直方~行橋の42.4kmは200円値上げの1190円になる。
定期旅客運賃の上限は、通勤・1カ月で1~3kmの区間が1530円値上げの9140円。10~12kmの区間は2420円値上げの1万4520円だ。通学・1カ月は大学・高校生の場合、1~3kmが970円値上げの5810円、10~12kmは1540円値上げの9240円。
上限の範囲内で実際に収受する運賃(実施運賃)も、基本的には上限運賃と同額とする予定。ただし一部の区間(特定区間)で上限運賃より若干安い運賃を設定していることから、上限運賃の認可後に特定区間の実施運賃を届け出る予定だ。
企画乗車券の1日フリー切符「ちくまるキップ」も、上限運賃の認可後に実施運賃を届け出る予定。現行1000円のところ1500円に値上げし、土曜・休日に小学生一人が無料となる特典を廃止する。
門司港レトロ観光線の上限運賃は現行300円から約1.7倍の500円に改定する。実施運賃も上限運賃と同額の予定だ。企画乗車券は「1日フリー乗車券」が現行600円のところ400円値上げして1000円、「北九州銀行レトロライン潮風号きっぷ」も現行500円のところ400円値上げして900円に改定する。「関門海峡クローバーきっぷ」の改定は調整中だ。実施運賃は企画乗車券も含め認可後に届け出る予定。

平成筑豊鉄道によると、伊田線・糸田線・田川線の年間輸送人員は1992年度の342万人をピークに減少。2023年度は124万人でピーク時の3分の1に落ち込んでいる。門司港レトロ観光線も開業初年度(2009年度)の輸送人員が21万人だったのに対し2024年度はほぼ半分の11万人まで減少した。一方で老朽化した施設の更新や人件費の上昇、燃料費の価格上昇などで経費が増加していることから、運賃改定による収支の改善が必要と判断した。
特別利益・特別損失を除いた収支は、伊田線・糸田線・田川線が2024年度で3億4200万円の赤字。2026~2028年度の3年間合計の予測では、現行運賃のままなら11億200万円の赤字なのに対し、運賃を改定した場合は9億5600万円の赤字に抑えられる。門司港レトロ観光線は2024年度が4600万円の赤字。2026~2028年度の3年間合計予測は現行運賃のままなら1億3900万円の赤字に対し、運賃を改定した場合は8000万円の赤字に縮小するという。
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