しなの鉄道の運賃改定「認可」区間によって数円~10円の値上げか数円の値下げ



国土交通省の北陸信越運輸局長は7月28日、しなの鉄道が申請していた旅客運賃上限変更を認可した。これを受けてしなの鉄道は来年2026年春に運賃改定を実施。上限ベースでは14.7%の値上げだが、上限の範囲内で実際に適用する運賃(実施運賃)ベースでは現行の水準に抑える。

しなの鉄道に導入された新型車両のSR1系。【撮影:草町義和】

この改定にあわせ、JR東日本の全国交通系ICカード「Suica」を導入。ICカード利用時の普通旅客運賃は1円単位運賃を適用する。現行運賃との比較では、区間によって数円の値上げか値下げになる。

紙の切符を利用する場合の普通旅客運賃は従来通り10円単位運賃を適用。消費税の端数整理方法を見直すため、区間によっては10円の値上げになる。定期旅客運賃はいずれの場合も現行額を据え置く。

国鉄時代の湘南色を復刻したしなの鉄道の115系。【撮影:草町義和】

しなの鉄道は今年2025年3月、旅客運賃の上限変更を申請。同社は「将来の収支予測に基づき今回平均14.7%引上げの上限運賃の認可を受けましたが、当社では引き続き収益増や事業の効率化など経営努力により、当面、運賃値上げを行わず、現行の運賃水準を維持します」としている。

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