札沼線の一部廃止で増発 5月2日以降は新型コロナウイルス対策で全車指定席に



JR北海道は4月3日、まもなく廃止される予定の札沼線・北海道医療大学(当別町)~新十津川(新十津川町)間について、4月11日から最終運転日の5月6日まで同区間を含む石狩当別~新十津川間で列車を増発すると発表した。5月2日以降はすべての列車を全車指定席として運転する。

5月6日限りで運転を終了する札沼線(一部)を走る気動車。【画像:まこりげ/写真AC】

増発する臨時列車は、土曜・休日の4月11・12・18・19・25・26・29・30日と5月1~6日の計14日間運転。下りは石狩当別11時45分発の浦臼行き定期普通列車を新十津川駅(13時09分着)まで延長運転する形になる。

上りも浦臼13時19分発→石狩当別15時39分着の定期普通列車の運転区間を拡大し、新十津川14時06分発→石狩当別15時39分着の時刻で運転する。ただし最終日の5月6日は新十津川14時13分発→石狩当別15時37分着に変更し、浦臼駅と石狩月形駅を除き通過する。

また、通常は早朝の上り1本が2両編成のほかは1両で運転されているが、臨時列車の運転日は定期列車も含め、すべて2両以上で運転。5月2日以降は最大5両編成で運転される。

JR北海道は廃止に伴い多くの客が訪れることが想定されるとし、5月2日以降は新型コロナウイルス感染防止対策として、石狩当別~新十津川間を走るすべての列車を全車指定席として運転する。乗車に際しては乗車券のほか指定席券(530円)が必要だ。JR北海道は指定席券について「発売については現在準備中です。発売開始日につきましては、決まり次第あらためてお知らせいたします」としている。

札沼線は、函館本線の桑園駅(札幌市中央区)と現在の留萌本線・石狩沼田駅(沼田町)の111.4kmを結んでいた鉄道路線。1972年に新十津川~石狩沼田間34.9kmが廃止され、現在は桑園~新十津川間の76.5kmを結んでいる。

札幌寄りの桑園~北海道医療大学間は札幌の通勤通学圏で利用者が多く、電化と一部複線化が図られている。一方、北海道医療大学~新十津川間は利用者が少なく、2016年に存廃問題が浮上。沿線自治体は2018年までに廃止に同意し、今年2020年5月6日限りで廃止されることが決まった。代替バスは4月1日から運転されている。