東武東上線「100年前の客車の色」に 全通100周年記念、撮影会や記念切符も



東武鉄道は6月6日、8000系電車を「100年前の客車の色」で塗装すると発表した。東上線の全線開業100周年の記念企画。

2014年の開業100周年のときに「セイジクリーム色」に塗り替えられた8000系。【画像:taso583/写真AC】

8000系電車のうち東上線の第81111編成(4両)を「ぶどう色1号」と呼ばれる茶色で塗装する。この編成は東上線の最初の開業から100年を迎えた2014年、8000系の旧塗装の一つである「セイジクリーム色」に塗り替えられていた。「ぶどう色1号」での運行期間は7月13日から当面のあいだを予定。東武鉄道は「100年前の正確な記録がないため文献等を参考にイメージしたカラーとなります」としている。

「ぶどう色1号」の8000系のイメージ。2両編成のように描かれているが実際は4両編成になる。【画像:東武鉄道】

7月13日には「ぶどう色1号」になった8000系の撮影会と50090形電車の臨時列車「東上線全線開通100周年記念ツアー」への乗車をセットにしたツアーを実施。また、50090形と8000系の計2編成で100周年記念ヘッドマークを7月13日から10月14日まで掲出する。

全通100周年記念ヘッドマークのデザイン(左=8000系、右=50090形)。【画像:東武鉄道】

ほかにも7月10日から8月31日まで、100周年記念企画を実施。スタンプラリーを実施するほか、新旧の東上線車両前面をアクリルチャームにしたトイカプセルを販売する。また、「東上線1日フリー乗車券」と「東上線全線開通100周年記念乗車券」を発売する。

東上線は池袋~寄居の75.0kmを結ぶ路線。1914年に東上鉄道の路線として池袋駅から田面沢駅(現在の川越市~霞ヶ関にあった駅)まで開業した。その後順次延伸され、1920年には東武鉄道が東上鉄道を合併。100年前の1925年7月10日に池袋~寄居が全通した。

もともとは東京と新潟県長岡市を結ぶ鉄道として構想され、現在の群馬県渋川市まで鉄道免許を受けていた。しかし国鉄八高線の建設が決まったのを受け、寄居以北の建設を断念している。

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