JR北海道は宗谷本線で発生した脱線事故と土砂災害を受け、同線の一部区間で運転を見合わせている。復旧には相当な日数がかかる見込み。

JR北海道が発表した4月10日以降の運転計画によると、普通列車は音威子府~稚内で終日運休。名寄~音威子府も一部の列車のみ運転している。特急列車は「宗谷」が札幌~旭川のみ運転。「サロベツ」は全列車で全区間で運休している。
代行バス(4月11日以降)は旭川~稚内で上下各2本が設定されている。所要時間は約5時間40分で、下りは旭川8時45分→稚内14時29分と旭川12時37分→稚内18時20分、上りは稚内6時36分→旭川12時20分と稚内15時40分→旭川21時19分だ。いずれも旭川駅で札幌方面の特急「ライラック」「宗谷」に連絡する。
JR北海道と運輸安全委員会によると、脱線事故は4月8日6時42分ごろに発生。音威子府5時35分発の稚内行き下り普通列車(気動車1両=キハ54 502)が天塩中川~問寒別(旭川駅起点168km020m)を走っていたところ、走行中に縦揺れを感じたことから非常停止した。車両を点検したところ、前から3軸目と4軸が脱線しているのを確認。さらに列車後方の盛土が約46mに渡り崩れていた。列車に乗っていた2人の乗務員にけがはなく、乗客はいなかったという。



JR北海道によると、現在は復旧に向けて作業通路や作業ヤードの造成工事を進めているが、斜面の沢からの融雪水の処理に時間がかかっており作業が難航している。運転再開は早くても4月26日以降になる見込みという。
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