多摩モノレール箱根ケ崎ルートの軌道事業「近く特許」へ 1日約4万人が利用



運輸審議会は3月13日、多摩都市モノレールが申請していた多摩都市モノレール線(多摩モノレール)の延伸区間の軌道事業特許について、軽微事案に認定した。これを受けて国土交通大臣は近く多摩都市モノレールに対し軌道事業を特許するとみられる。

多摩モノレールの列車。【画像:ジュンP/写真AC】

国土交通省などによると、軌道特許の申請区間は多摩モノレール北側の終点・上北台駅からJR八高線・箱根ケ崎駅付近のNo.7駅(仮称)に至る約7.0kmの「箱根ケ崎ルート」。東京都内の東大和市と武蔵村山市、瑞穂町を通る。複線の軌道を整備し、途中にNo.1~No.6の6駅(いずれも仮称)を設ける。建設期間は準備工事を含め10年。2030年代半ばの開業を目指す。

延伸区間(箱根ケ崎ルート)のルートと駅の位置。【画像:国土交通省】

特許申請ベースの概算建設費は1180億円で、東京都が整備する軌道や駅施設などのインフラ部は822億円。多摩都市モノレールが整備する運転保安設備や列車への電力供給用の電線、車両などのインフラ外部は358億円になる。

インフラ部の費用は東京都が負担。インフラ外部は81%の291億円を国や東京都、沿線市町が負担し、残り19%の67億円を多摩都市モノレールが負担する。このうち30億円は沿線市町からの無利子貸付や金融機関からの借入で賄う。

建設費の内訳。【画像:国土交通省】
関係各者の負担額。【画像:国土交通省】

需要予測は四段階推定法により推計し、1日に4万1445人が利用するとした。このうち既開業区間と延伸区間の移動が3万1572人を占める。損益収支の想定は単年度損益で延伸開業1年目が黒字。2~14年目は最大で14億7300万円の赤字(4年目)になるが、15年目から黒字転換する。累積損益は黒字を維持する想定だ。

各駅間の1日の推定利用者数。【画像:国土交通省】

箱根ケ崎ルートの導入空間になる新青梅街道は、導入空間を確保するための拡張(幅18m→30m)が2005年に都市計画決定されている。今年2025年3月6日にはモノレールや関連する都市計画道路も都市計画が決定した。

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