大井川鉄道のSL列車「東海道本線連絡」復活 「SL普通列車」や各停統一も



大井川鉄道は3月5日、ダイヤ改正を4月7日に実施すると発表した。SL列車の運行区間の拡大などを行う。

大井川鉄道のSL列車。【画像:さんばる/写真AC】

大井川本線の観光列車はSL急行「かわね路号」「南アルプス号」について、下り3本の運行区間を金谷→川根温泉笹間渡に統一。始発駅が現在の新金谷駅から東海道本線の接続駅である金谷駅に変わり、川根温泉笹間渡駅の一つ前の家山止まりだった1本も川根温泉笹間渡駅まで乗り入れる。

上り3本の運行区間は2本が現在と同じ川根温泉笹間渡→新金谷。残る1本は現在の家山→新金谷から川根温泉笹間渡→金谷に拡大する。また、下りSL急行「かわね路3号」(金谷15時00分発)の車両を車庫のある新金谷駅から金谷駅に送り込むための上り列車を「SL普通列車」(新金谷14時45分発→金谷14時50分着)として設定。「かわね路3号」が運転される日に限り走らせる。

電車で運行している大井川本線の料金不要の定期列車は、すべて各駅停車の普通列車に統一。区間急行・快速急行の合計3本を廃止して普通列車3本を増発し、現在は区間急行・快速急行が通過している駅の利便性向上を図る。区間急行・快速急行は2023年10月のダイヤ改正で設定されたばかりだった。

2025年4月7日ダイヤ改正後の大井川鉄道の時刻表。【画像:大井川鉄道】

大井川鉄道のSL列車は、かつては金谷発着で運行されていた。しかし、ツアーバスやマイカーなどで駐車場のある大井川鉄道の新金谷駅を訪れてSL列車に乗り継ぐ客が多いこともあり、2011年10月以降は新金谷発着になっていた。

大井川鉄道の金谷駅。【撮影:草町義和】

大井川鉄道はSL列車の金谷発着の復活について「東海道新幹線・東海道線とSL急行列車との接続が改善されます」とアピール。東京駅から東海道新幹線・東海道本線経由で「南アルプス1号」に乗る場合、現在は東京7時03分発の「ひかり501号」に乗る必要があるが、ダイヤ改正後は東京8時03分発の「ひかり503号」に乗っても間に合うようになり、1時間の余裕ができる。

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