JR東日本の新型車両「HB-E220系」導入線区など発表 3ドア・ロングシート



JR東日本は11月21日、高崎・盛岡エリアに新型車両「HB-E220系」を導入すると発表した。ディーゼルハイブリッド式を採用した気動車。導入予定の線区で現在運用されている液体式気動車のキハ100系やキハ110系より環境負荷の低減やメンテナンス性の向上を図る。

HB-220系のイメージ。【画像:JR東日本】

編成は1両(HB-E220形)と2両(HB-E221形+HB-E222形)の2種類。車体の大きさは全長20.6m、全高3.64m、幅2.8mになる。全長はキハ100系(16.5m)より4mほど長く、キハ110系(20~20.5m)とほぼ同じだ。編成定員は1両タイプがキハ100系と同じ103人で、2両編成はキハ110系の2両編成(267人)より20人ほど少ない243人になる。

車体はステンレス製。公表されたイメージでは形状が電気式気動車のGV-E400系に似ている。一方、ドアは従来の片側2ドアから片側3ドアに増やし、通勤・通学時の乗り降りをスムーズにすることを目指す。座席はロングシートを採用。車椅子・ベビーカー利用者向けのフリースペースや電動車椅子に対応した洋式トイレを設けるほか、防犯カメラと非常通話装置を設置する。

HB-E220系とキハ100・110系の比較。【画像:JR東日本】

動力システムはGV-E400系で採用した電気式ではなく、仙石東北ラインのHB-E210系などと同じディーゼルハイブリッド式を採用。動力源としてディーゼルエンジン発電機と蓄電池の2種類を単独、または組み合わせて使用する。JR東日本は液体式気動車特有の部品の削減や電車と同じ機器を採用することでメンテナンス性を向上するとしている。ディーゼルエンジンは窒素酸化物(NOx)や黒煙などの粒子状物質(PM)を低減するものを搭載する。最高速度はキハ100・110系と同じ100km/h。

動力システムの違い。【画像:JR東日本】

営業運転の開始時期は2025年度下期の予定で32両を新造する。高崎エリアには2両8編成を投入。八高線の高麗川~高崎で運用する。盛岡エリアには2両6編成と1両4編成を投入し、東北本線・花巻~盛岡と釜石線・花巻~釜石で運用する計画だ。

釜石線を走るキハ100系。【撮影:草町義和】

JR東日本の非電化地方路線では、これまで電気式のGV-E400系で国鉄時代に製造されたキハ40系気動車の更新が進められていた。今後はJR発足後の1990年代にデビューしたキハ100・110系の更新がHB-E220系で進められるとみられる。

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