西武鉄道は11月8日、「西武秩父線開通55周年記念車両」の運行を11月11日から始めると発表した。4000系電車をE851形電気機関車のイメージで装飾する。
車両は4000系の第4017編成を使用。外観はE851形と同様、赤をベースにした塗装に変更し、クリーム色の帯で装飾する。運行路線は池袋線の飯能~吾野と西武秩父線。秩父鉄道への直通列車でも運用する。走行位置は西武鉄道の公式スマートフォンアプリ「西武線アプリ」でリアルタイムに確認できる。
西武秩父線は55年前の1969年に開業。当初は秩父地方の武甲山から産出された石灰石を原料とするセメントを運ぶ貨物列車も運行されていた。このセメント貨物列車の牽引機として製造されたのがE851形の4両(E851~E854)。国鉄電気機関車のEF65形やEF81形をベースに製造された。
EF851形の大きさは長さ約16.5m、幅約2.9m、高さ約4.1mで6軸の動輪軸を持ち、私鉄の電気機関車としては最大。そのため「ジャンボ」と通称されていたという。出力も2550kWと私鉄最大で、25パーミルの急勾配でも重連で1000t牽引できる能力があった。
西武鉄道が1996年に貨物輸送を廃止したのに伴い4両とも引退。現在はE854の1両のみ横瀬車両基地で静態保存されている。
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