関西大手私鉄の南海電鉄は9月30日、取締役会で泉北高速鉄道との合併を決議したと発表した。合併予定日(効力発生日)は来年2025年4月1日。南海電鉄が泉北高速鉄道を吸収合併し、泉北高速鉄道は解散する。
南海電鉄によると、完全子会社の合併のため2025年3月期と2026年3月期における連結業績への影響は軽微。個別決算上では2026年3月期に抱合せ株式消滅差益を特別利益として計上する見込みだが、現時点で金額は確定していないという。合併後の運賃体系について詳細は明らかにしていないが、南海電鉄は「初乗り運賃の二度払い解消等により、2026年3月期以降、現状より10億円程度の運賃収入減少の可能性がございます」としている。
泉北高速鉄道は準大手私鉄5社のうちの1社。南海高野線の中百舌鳥駅で分岐して和泉中央駅に延びる14.3kmの泉北高速鉄道線を運営し、南海電鉄と泉北高速鉄道は相互直通運転を行っている。
設立当初は大阪府などが出資する第三セクターだったが、2014年から南海電鉄が株式を譲り受け、2022年4月には南海電鉄の完全子会社に。昨年2023年12月、南海電鉄は沿線人口の減少などによる利用者の減少のなかで持続性の高い事業体制を確立するとし、泉北高速鉄道を2025年度の早期に合併することを発表していた。
南海電鉄と泉北高速鉄道が合併する2025年4月1日には、関東大手の京成電鉄も準大手私鉄の新京成電鉄を吸収合併する予定。準大手私鉄は一気に2社減って北大阪急行電鉄・山陽電鉄・神戸高速鉄道の3社になる。
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