天竜浜名湖鉄道「値上げ」2024年10月1日から 20~150円値上げ



国土交通省の中部運輸局長は9月5日、天竜浜名湖鉄道(静岡県)が申請していた旅客運賃上限変更を認可した。これを受けて天竜浜名湖鉄道は10月1日に運賃を値上げする。全体の改定率は8.8%。

天竜浜名湖鉄道の車両。【撮影:草町義和】

普通旅客運賃は初乗り(3.0kmまで)が現行200円のところ20円値上げの220円。それ以外の距離帯は30~150円値上げする。定期旅客運賃は大人1カ月の場合、3.0kmまでの区間が通勤で790円値上げの8700円、通学は270円値上げの5650円になる。

国土交通省によると、鉄道事業の収支は2023年度の実績で収入が4億5407万2000円に対し支出が7億6171万3000円で3億764万1000円の赤字。2025~2027年度の3年間合計の推定では、現行運賃のままなら10億2320万5000円の赤字だが、認可運賃を適用すると赤字額は9億2339万5000円に縮小するという。

天竜二俣駅にある車両基地の転車台と扇形車庫。老朽化が激しい。【撮影:草町義和】

天竜浜名湖鉄道は物価高に加え施設の整備費なども増加しているとして、今年2024年8月に運賃改定を申請していた。同社は今後、老朽化した施設の補修を進めるとともに、新型車両を2025年度以降、毎年1両ずつ導入して従来車両を置き換える方針だ。

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