JR西日本「値上げと値下げ」国交相が認可 京阪神都市圏の運賃区分を統合



国土交通大臣は8月9日、JR西日本が申請していた旅客運賃の上限変更を認可した。これを受けてJR西日本は来年2025年4月1日に運賃を改定。京阪神都市圏の運賃区分を統合する。区間によって値上げされるケースと値下げされるケースに分かれる。

新たに電車特定区間に編入される東海道本線の栗東駅。【撮影:草町義和】

上限が変更されるのは、京阪神都市圏の普通旅客運賃と定期旅客運賃。京阪神都市圏の電車特定区間の運賃を値上げするとともに、電車特定区間の範囲を大阪環状線や周辺の幹線も含め拡大し、統合する。

電車特定区間の運賃は幹線運賃よりも低く設定されており、これは改定後も変わらない。このため、従来の電車特定区間では運賃が値上げされるが、東海道本線・野洲~京都や山陽本線・西明石~網干など新たに電車特定区間に編入される区間では値下げになる。

普通旅客運賃で距離が1~3kmの区間の場合、大阪環状線や現行の電車特定区間では現行140円のところ10円値上げの150円。新たに電車特定区間に編入される幹線では現行と同じ150円だが、21~25kmの区間では現行420円のところ10円値下げの410円になる。

従来の運賃区分と改定後の電車特定区間。【画像:JR西日本】
現行運賃と改定後の運賃。【画像:JR西日本】

JR西日本は今年2024年5月に旅客運賃の上限変更認可を申請。会社発足後の輸送改善などによる利用状況の変化を踏まえ、京阪神都市圏内で同じレベルの輸送サービスを提供しているエリアの運賃区分を統合して平準化を図るとしている。

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