小湊鉄道キハ200形「寝台車」に 車内に2段ベッド、グランピング施設の保存車を改装



小湊鉄道のキハ200形気動車が「寝台車」に生まれ変わった。沿線のグランピング施設で静態保存されている1両を改装したもので、8月1日に宿泊施設としてオープン。寝台列車として実際に走ることはないが、車内に泊まることができる。

キハ203の宿泊施設としてのオープニングセレモニー(2024年7月26日)。【画像:HAMIRU】

宿泊施設に改装されたのは、高滝湖グランピングリゾート(千葉県市原市、小湊鉄道線の高滝駅から徒歩9分)で静態保存されているキハ200形のキハ203。座席やつり革の一部を残しつつ、ミニキッチンやダイニングスペース、寝室を設け、寝室には2段ベッドを2台設置した。床には路線図を描いており、キハ203の雰囲気を再現したという。

車内の一部は現役時代の座席やつり革が残されている。【画像:HAMIRU】
車内に設けられたミニキッチンとダイニングスペース。【画像:HAMIRU】
寝室は2段ベッドを2台設置した。【画像:HAMIRU】

このほか、車両の外にはチェア付きのウッドデッキを設置。すぐそばに小湊鉄道線の線路があり、列車を眺めることができる。

車両の脇に設置されたウッドデッキ。すぐ横を小湊鉄道線の線路が通っている。【画像:HAMIRU】

宿泊料は日によって異なるが、当面はオープニング記念プランとして一人につき1万円から提供する。予約は高滝湖グランピングリゾートのウェブサイトで受け付けている。

キハ200形は国鉄キハ20系気動車をベースに開発された小湊鉄道の気動車。1961年から1977年にかけ14両が製造され、それ以前に導入された老朽車両を置き換えた。2020年移行、JR東日本から譲り受けたキハ40系気動車と入れ替わりに一部の車両が引退している。

引退前のキハ203。【撮影:鉄道プレスネット】

キハ203は1963年の製造。引退後は高滝湖グランピングリゾートの運営会社「HAMIRU」が譲り受け、2023年に高滝湖グランピングリゾート内に設置していた。

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