小田急電鉄が設置した博物館「ロマンスカーミュージアム」(神奈川県海老名市)が博物館法の「お墨付き」を得た。6月21日、同法に基づく神奈川県所管の「登録博物館」に指定された。
ロマンスカーミュージアムは海老名駅の隣接地に建設され、2021年4月に開館。戦前の小田原急行鉄道時代に導入されたモハ1形電車に加え、3000形電車「SE」や3100形電車「NSE」など歴代のロマンスカーを保存、展示しており、鉄道ジオラマや運転シミュレーターなども設置している。
小田急電鉄によると、資料の収集・保管・展示・調査研究の体制や、学芸員などの配置、、施設・設備、年間開館日数などの観点から審査を受け、登録博物館として登録を受けた。鉄道会社が設置する博物館としては全国初で、民間企業が設置する博物館としては神奈川県初になるという。
小田急電鉄は登録の利点として、ほかの登録博物館との連携の強化を挙げる。資料の貸し借りなどが容易になるほか遠方の博物館資料を展示することや、動物園や水族館など異なるジャンルの博物館との連携機会も得られるという。
一方で登録博物館は調査研究に基づく情報発信に加えて地域活性化への貢献なども役割が求められているとし、地域交流の機会増加や多文化共生の促進にも寄与していくとしている。また、今後は文化庁からの支援も視野に入れ、学芸員によるガイドツアーの機会増加や多言語による情報発信などを推進。自治体や学校との連携の強化なども図っていくとしている。
博物館法は1951年に制定。登録博物館の設置者はこれまで地方公共団体や一般財団法人、一般社団法人などに限られていた。しかし2023年4月に同法の改正が施行され、博物館としての要件を満たせば民間会社なども登録できるようになった。
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