JR東海「飯田線秘境駅号」2024年5月に豊橋~飯田で運行



JR東海は3月18日、飯田線・豊橋~飯田で臨時急行「飯田線秘境駅号」を5月に運行すると発表した。駅周辺に人家がない山間部の駅で利用者が非常に少ない、いわゆる「秘境駅」に停車しながら走る。運行日は5月18・25・26日の計3日。

「飯田線秘境駅号」で使われる373系(左)。【撮影:草町義和】

下りの運行時刻は豊橋9時50分発→飯田15時30分着。途中、新城・柿平・東栄・大嵐・小和田・中井侍・伊那小沢・伊那小沢・平岡・為栗・田本・金野・千代・天竜峡の各駅に停車する。上りの運行時刻は飯田13時05分発→豊橋17時54分着。途中停車駅は天竜峡・千代・金野・田本・為栗・平岡・伊那小沢・中井侍・小和田・浦川の各駅になる。

「飯田線秘境駅号」と秘境駅とされる小和田駅。【画像:JR東海】

途中停車駅のうち新城・東栄・大嵐・平岡・天竜峡・浦川を除く各駅が秘境駅とされている。秘境駅では少なくとも5分、最大で20分ほど停車する。

「S字鉄橋」の第6水窪川橋梁など飯田線の景勝地では、徐行運転や車内放送による案内を実施。乗客には乗車記念証を配布し、一部の駅では地元特産品などの販売を行う予定だ。飯田駅には「飯田線秘境駅号」運転日に記念スタンプを設置する。

車両は飯田線の特急「伊那路」で運用されている373系特急型電車の3両編成を使用する。「飯田線秘境駅号」は急行列車として運行されるため、乗車には乗車券類のほか急行券・指定席券が必要。乗車日1カ月前の10時から全国のJRのおもな駅で発売する。

「飯田線秘境駅号」は2010年から運行されている臨時急行。2000年代の「秘境駅ブーム」を受け設定された。利用者が少ない秘境駅は列車の停車本数も少なく訪問は困難だが、「飯田線秘境駅号」を利用すると複数の秘境駅を一度に巡ることができる。JR東海は「特急列車では通過する秘境駅に次々と停車し、非日常感溢れる鉄道の旅をお楽しみいただけます」とアピールしている。

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