木曽谷の森林鉄道「資源活用」考えるイベント 秘蔵映像の公開やシンポジウム



長野県の木曽谷エリアの観光協会などで構成される木曽観光連盟は来年2024年1月13日、森林鉄道に関するギャラリー・シンポジウムイベント「木曽森林鉄道フォーラム」を木曽町文化交流センター(中央本線・木曽福島駅から徒歩15分、上町バス停から徒歩1分)開催する。テーマは「森林鉄道資源を今後どのように活かすか」。

丸太を運ぶ木曽の林鉄。【画像:森下定一・中村秀巳/木曽観光連盟】

開催日時は1月13日の10~15時。10~12時は「林鉄のある景色」と題して展示ブースを公開し、森林鉄道や林業に関わる歴史写真や秘蔵映像を公開する。13~15時はシンポジウムを開催。木曽谷エリアに残る森林鉄道の遺構の活用をテーマとし、農学博士の八巻一成さんによる講演と森林鉄道の活用に取り組む有志とのトークディスカッションを行う。

参加費用は無料だが申し込みが必要。ウェブサイト『木曽谷トリップ』からアクセスできる専用フォームなどで受け付けている。締切は1月12日。

森林鉄道は山間部の木材を運搬するための林業用の鉄道で通称「林鉄」。路線によっては木材だけでなく地域住民や観光客も輸送していた。

林野庁によると、おもに国有林を管轄する国が建設主体となり、明治期から全国各地に約1300路線、延長約9000kmが建設された。しかしトラックの性能向上や道路の整備に伴い廃止され、現在残っている林鉄は屋久島の安房森林鉄道と京都大学芦生演習林の森林軌道だけという。

木曽に残る林鉄の橋梁。【画像:森下定一・中村秀巳/木曽観光連盟】

林業が盛んだった木曽谷の林鉄ネットワークは国内でも最大級の規模。とくに中央本線上松駅を起点とする小川・王滝森林鉄道とその支線は総延長が400kmを超えていた。1970年代半ばまでに全廃されたが、いまもトンネルや橋梁など施設の一部が残っている。

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