阪急電鉄「ワンマン運転」新たに3線区で実施へ 安全対策の強化も



阪急電鉄は11月13日、運転士のみ乗務する「ワンマン運転」を新たに3線区で実施すると発表した。まず来年2024年3月23日から伊丹線でワンマン運転を始める。

ワンマン運転が導入される伊丹線の伊丹駅(固定柵の設置前)。【撮影:草町義和】

ワンマン運転を実施する3線区は、伊丹線・塚口~伊丹の3.1kmと箕面線・石橋阪大前~箕面の4.0km、嵐山線・桂~嵐山の4.1kmで、列車は4両編成。まず2024年3月23日の始発から伊丹線で実施する。2026年春ごろには箕面線でも実施し、嵐山線は2027年春ごろから実施する計画だ。

ワンマン運転の実施にあわせ、安全対策も強化する。3線区にはセンサー付のホーム固定柵を設置。車両とホーム固定柵のあいだの客の有無を検知し、安全を確認したうえで列車が出発できるシステムにする。すでにワンマン運転を実施している甲陽線・夙川~甲陽園と今津線・西宮北口~今津も、2024年度中にはセンサー付きホーム固定柵を整備する。

センサー付き固定柵が設置された伊丹駅。【画像:阪急電鉄】
センサー付き固定柵の仕組み。【画像:阪急電鉄】

また、3線区の駅間には避難誘導看板を設置し、乗務員が客を誘導できないような状況でも線路外への出口となる駅や踏切までの方向や距離を示すようにする。大地震発生時に津波の被害が想定される地域では、津波浸水区域であることを示す文言も看板に加える。阪急電鉄はこのほか、3線区を含む全線で2027年度末までに車内防犯カメラを設置する計画だ。

駅間に設置する看板。【画像:阪急電鉄】
箕面線は2026年春ごろからワンマン運転を実施する計画。【撮影:草町義和】

阪急電鉄によると、コロナ禍による生活様式の変化に伴い利用動向が変化。少子高齢化が進むなかで持続可能な鉄道サービスを実現するため、ワンマン運転を実施するという。

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