宇都宮ライトライン、開業2カ月で「80万人」達成 「10分遅れ」定時性の確保に課題



路面電車タイプの軽量軌道交通(LRT)「宇都宮芳賀ライトレール線」(ライトライン)の総利用者数が、8月26日の開業から2カ月で80万人に達した。ライトラインを運営する宇都宮ライトレールが10月27日、発表した。

開業2カ月で総利用者数が80万人に達したライトライン。【撮影:草町義和】

開業1カ月目(8月26日~9月25日)の利用者数は約42万人。1日あたりでは平日が1万2000~1万3000人で、土曜・休日は1万5000~1万6000人だった。2カ月目(9月26日~10月25日)は約38万人。1日あたりでは平日が1万2000~1万3000人で1カ月目と同じだったが、土曜・休日は1万1000~1万2000円人と4000人ほど減少した。

ライトライン開業前の計画では1日あたり約1万6000人としていたが、開業初年度については平日を1日1万2800人、土曜・休日を1日4400人としていた。平日はほぼ計画通りなのに対し、土曜・休日は減少傾向にあるものの計画を大幅に超える利用状況が続いている。

宇都宮ライトレールは通勤客の利用定着に加え、通学利用や保育園・幼稚園の園外活動、小学生の社会化見学などの利用も見られはじめているとしている。

飛山城跡~清陵高校前を走るライトラインの電車。【撮影:草町義和】【撮影:草町義和】

こうしたなかで運行の遅延が当面の大きな課題になっている。宇都宮ライトレールによると、平日は運賃の支払いに時間がかからないICカードの利用率が約94%に達していて定時運行が確保される一方、土曜・休日のICカード利用率は約85%にとどまっており、この影響で10分程度の遅れが生じる場面があるという。

宇都宮ライトレールは車内放送などでICカードの利用促進や現金での利用者への事前の両替を呼びかけるなどして定時性の確保に取り組むほか、1日フリー切符の発売などサービス向上も図っていくとしている。

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