「環境に優しい鉄道」アピール、JRグループ7社と全国72社加盟の民鉄協がタッグ



JRグループと民鉄協は10月13日、脱炭素社会における鉄道の優位性の広報を連携して強化すると発表した。共通のロゴマークとスローガンを使い、各社のウェブサイトや列車内、駅などで展開。「環境に優しい鉄道」をアピールする。

CO2排出量が自家用自動車の約5分の1とされる鉄道。【画像:しろがね/写真AC】

共通スローガンは「Switch! SUSTAINBLE TRAIN」とし、「サステナブル(持続可能)な未来」に向けて鉄道の利用を呼びかける。ロゴマークは「カーボン“ゼロ”」を目指すことや列車の車窓をモチーフにデザイン。ロゴの色は「クリーンな大気や自然」とイメージしてターコイズグリーンをベースとし、各社のコーポレートカラーでも展開する。

JR7社の民鉄協が共同で展開するロゴマーク・スローガン。【画像:JRグループ・民鉄協】

JRグループ・民鉄協によると、2021年度の日本の二酸化炭素移出量は約10.6億t-CO2。このうち約2割を運輸部門の排出量が占めている。旅客輸送の場合、一人1kmあたりの排出量は自家用自動車が132g-CO2、航空機が124g-CO2なのに対し、鉄道は自家用自動車・航空機の約5分の1となる25g-CO2。貨物輸送では営業用貨物車が216g-CO2なのに対し、鉄道は約11分の1の20g-CO2。船舶(43g-CO2)と比べても半分以下という。

各種交通のCO2排出量。【画像:JRグループ・民鉄協】
かつての蒸気機関車は電車や気動車に置き換えられ、さらに省エネ策を講じた電車や気動車も増えて鉄道のCO2排出量は大幅に減った。【画像:ヤベナル/写真AC】

JRグループは旧国鉄を引き継いだJR旅客6社とJR貨物の合計7社で構成されるグループ。民鉄協は全国72社の私鉄・第三セクターが加盟している。

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