小湊鉄道の全線再開「未定」養老渓谷までの復旧は1カ月程度 鉄道・運輸機構が調査へ



小湊鉄道線(千葉県)で台風13号の影響による一部区間の運休が続いている。運休区間は縮小したが、全線再開のめどは立っていない。

小湊鉄道の列車。【画像:EIKICHI/写真AC】

小湊鉄道は9月14日時点で里見~上総中野13.4kmの運行を見合わせ、同区間で代行バスを運行していた。9月16日から里見~月崎の運行を再開し、運休区間を月崎~上総中野の9.3kmに縮小。代行バスの運行区間も月崎~上総中野に縮小した。トロッコ列車「里山トロッコ」は五井~月崎のみ通常運行している。

小湊鉄道が発表した被害の概要によると、月崎~上総大久保の月崎第2トンネル付近と大久保トンネル付近、養老渓谷~上総中野の板谷トンネルと板谷5号第4種踏切付近で土砂流入や線路脇斜面の崩壊などの被害が発生。月崎~養老渓谷は1カ月程度で復旧する方向で調整中だが、養老渓谷~上総中野の復旧時期は未定という。

土砂が流入した板谷トンネル。【画像:小湊鉄道】

鉄道・運輸機構は国土交通省からの要請を受け、9月22日に鉄道災害調査隊を現地に派遣して運休中の区間の調査を行う予定。被災した場所の復旧方法などについて技術的な助言を行う。

運休区間のうち終点の上総中野駅ではいすみ鉄道のいすみ線が接続しているが、同線も台風13号で被災して一部区間(大多喜~上総中野)が運休中。9月14日に鉄道災害調査隊の調査を受けた。いすみ鉄道は今年2023年内の全線再開を目指している。

《関連記事》
いち早く現地に派遣「鉄道災害調査隊」鉄道・運輸機構が創設 災害復旧の早期化図る
ローカル線の議論「3度目の法改正」でどう変わる? 「再構築」対象となる路線は