近鉄の定期券「ウェブ予約」に統一、証明書にも対応 窓口発売は終了へ



近鉄は7月16日から定期券などの発売方法を変更する。スルッとKANSAI協議会と共同開発したシステム「定期券WEB予約サービス」を導入。専用ウェブサイトで予約してから駅の専用発売機で購入する形に統一する。同社はこれにより定期券購入時の混雑緩和と利便性の向上を図るとしている。

近鉄奈良線の列車。【撮影:草町義和】

定期券WEB予約サービスで予約できるのは、通勤定期券(新規)と通学定期券(新規・継続)、こどもICOCA。会員登録や年会費、専用アプリは不要だ。予約の受付開始は通用開始日の1カ月前からで、購入期間は通用開始日の14日前からになる。

スマートフォンやタブレット、パソコンで専用ウェブサイトにアクセス。必要な情報を入力すると、QRコードや予約番号が発行される。その後、駅にある黒色の専用発売機にQRコードを読み込ませるか予約番号を入力。利用期間や支払い方法などを選択し、支払い完了後に定期券が発行される。購入申込書の記入は不要だ。

通学定期券の場合、予約時に通学証明書などの画像もアップロードする必要がある。近鉄が証明書の画像を確認し、予約日の当日か翌日に確認結果を電子メールかショートメッセージで通知する。実際に専用発売機で購入できるようになるのは確認結果の通知後になる。こどもICOCAも同様で、予約時に使用者の氏名や生年月日を確認できる公的証明書の画像のアップが必要だ。いずれの場合も専用発売機での購入時に証明書を持参する必要はない。

定期券WEB予約サービスによる予約~購入の流れ。【画像:近鉄】

通勤定期券は同一区間を継続購入する場合、ウェブ予約は不要。旧定期券を専用発売機に挿入すれば購入できる。通学定期券も進級時を除き、同一区間の継続購入はウェブ予約が不要だ。

黒色の専用発売機は近鉄各線のおもな駅に設置。発売時間は6~23時で、従来の窓口発売(原則7~20時)より長くなる。

黒色の専用発売機のイメージ。【画像:近鉄】

この発売方法の導入に伴い、定期券の窓口発売は7月15日限りで終了。従来の近鉄インターネット予約・発売サービス会員向けの定期券仮予約サービスは7月1日をもって新規受付を終了しており、受取も7月15日限りで終了する。

一方、7月16日から大阪難波駅や近鉄名古屋駅など31駅(7月16日時点)を「定期券購入サポート駅」とし、購入に必要な情報を入力するためのタブレット端末を配備。専用発売機の操作も含め案内する。

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