東海道新幹線「700系」ラストラン列車、新型コロナウイルスの影響で運休に



JR東海は3月2日、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐとして、東海道新幹線での700系のラストラン列車になるはずだった3月8日の「のぞみ315号」(東京9時47分発→新大阪12時20分着)の運休を決めた。東京駅と新大阪駅で行う予定だった引退式典なども中止する。

3月8日の運転で引退するはずだった東海道新幹線の700系。 【画像:photo-abc/写真AC】

切符の払い戻しは全国のJR線の駅の窓口で、1年後の2021年3月8日まで受け付ける。手数料は無料だ。チケットレス対応のネット予約「エクスプレス予約」「スマートEX」で予約した場合は、自動的に無手数料で払い戻しの手続きが行われる。

また、3月8日の「のぞみ315号」を予約していた客には後日、希望者に限り乗車記念品を引き渡す予定。記念品の受け取りを希望する場合は払い戻しせず、紙の切符はそのまま保管し、「エクスプレス予約」「スマートEX」も予約状態のままにしておく必要がある。

700系は1997年に先行試作車が製造され、1999年から2006年にかけて量産された新幹線車両。登場時は先頭部の形状がカモノハシに似ているとして話題になった。東海道新幹線を走る16両編成の700系は、N700系とその改良型(N700A)の導入により順次引退。2019年12月までに定期列車での運転を終了し、現在は臨時列車で運用されている。

昨年2019年12月、700系の最後の運転は今年2020年3月8日の「のぞみ315号」(全車指定席)とすることがJR東海から発表され、東京駅の出発時と新大阪駅の到着時には引退式典を開催。さらに各停車駅でのJR東海社員による「見送り」も計画された。「のぞみ315号」の新幹線指定席特急券は2月8日の10時に発売を開始したが、1分もたたずに売り切れたという。