鉄道趣味団体「鉄道友の会」は5月25日、2023年のローレル賞に京都市交通局「20系」を選定したと発表した。
20系は京都市営地下鉄烏丸線の新型電車。同線が1981年に開業した際に導入された10系電車の1次車と2次車の更新を目的に開発され、昨年2022年3月から運行が始まった。
設計に際しては工業デザインの専門家や公募市民で構成されるデザイン懇談会を設置し、デザインを取りまとめた。編成両端の先頭車に多目的スペースを設け、車椅子やベビーカー、大型スーツケースに対応。車内を京都の伝統産業品で装飾した。
友の会は「公営交通事業者の通勤車の制約の中で、市民参加によるデザイン策定、多目的スペースの設置、バリアフリー、多言語案内表示等のインバウンド対応、車両内外デザインでの伝統産業品との協創など、完成度が高く最新技術と京都らしさを併せ持つ優れた車両」だとしてローレル賞に選定したとしている。
京都市交通局の車両がブルーリボン・ローレル賞のどちらかを受賞したのは、これが初めて。ブルーリボン賞はJR東海の特急型気動車「HC85系」が受賞した。
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