京急電鉄の防犯カメラ「リアルタイム確認」「AI解析」機能追加 ダイヤ改正にも活用



京急電鉄は4月21日、車両内に設置している防犯カメラについて、新しいタイプのものをすべての車両に導入すると発表した。2021年10月の京王線事件など、近年の鉄道車両内での傷害事件などの発生を受けた対策。今年2023年9月下旬から順次設置する。

京急電鉄の列車。【撮影:草町義和】

京急電鉄が現在使用している防犯カメラは記録式だが、新タイプの防犯カメラシステムは通信機能と人工知能(AI)解析機能を追加する。搭載カメラはNTTコミュニケーションズが提供する「IoTube model Pro.4G」で、サービス名は「THEASIGHT For IoTube」。

新しい防犯カメラのイメージ。【画像:京急電鉄】
防犯カメラの車内設置イメージ(中央上)。【画像:京急電鉄】

京急電鉄によると、通信機能により地上側でリアルタイムに映像を確認し、トラブル発生時は即座の状況把握や対応などが可能に。また、AI解析機能を使って車内の異常を検知したり混雑度を可視化したりすることもできる。混雑度の可視化データをダイヤ改正などで活用するなど、防犯以外でも活用してサービスの向上を図るという。

新システムの防犯カメラは9月下旬から設置を開始。2027年3月末までに全車両への設置を完了する予定だ。京急電鉄の車両数は今年2023年3月31日時点で128編成790両。

非常通報器の名称は「非常通話装置」に変更。表示内容も分かりやすいよう変更した。【画像:京急電鉄】
非常用ドアコックの表示内容も変わった。【画像:京急電鉄】

このほか、京急電鉄は車内に設置されている非常通報機の名称を「非常通話装置」に変更し、非常通報装置や非常用ドアコックの表示内容も変更。3月末までに全車両の変更が完了した。同社は国土交通省が2022年6月に策定したガイドラインに基づき、表示内容を分かりやすくしたとしている。

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