京急電鉄「値上げ」検討、来秋にも 平均10%だが一部は据え置き



京急電鉄は来年2023年秋頃に運賃を値上げする方針を固めた。コロナ前の水準への需要回復が見込めず、電気代の高騰なども懸念されるため。

京急線の列車。【撮影:草町義和】

同社が今年2022年11月11日に公表した、2022年度第2四半期(2022年4~9月)決算の補足説明資料で運賃改定の方針を明らかにした。それによると、値上げ幅は平均で10%程度を想定。初乗り運賃は切符で10円程度の値上げ(140円→150円)を想定する。ただし家計負担を考慮し、通学定期旅客運賃は据え置くという。

2022年度第2四半期の旅客運賃収入は合計320億円で、このうち定期運賃の収入は122億円。回復傾向だがコロナ禍前の2018年度第2四半期と比べ依然として95億円少なく、23%の減だ。

また、2022年度第2四半期の電気動力費は25億6000万円で、2021年度の第2四半期に比べ42%増加した。原油価格の高騰などで列車の運転や駅設備で使う電気の費用が急激に上昇しており、今後もこの傾向が続く見込みという。

年間設備投資額はコロナ禍による業績悪化を受け、2020年度と2021年度は150億円台と低い水準だった。一方で「これまで以上に安全で快適な輸送サービスを提供していくため、今後は多額の設備投資が必要」(京急電鉄)になるといい、2021年度予算は2019年度より5億円増の231億円となった。

京急電鉄は「今後も適切な設備投資を実施し、鉄道事業運営の健全性を確保する」ためとして、「不足する費用の一部をお客様にご負担いただきたく、運賃改定を検討しております」としている。

※追記(2022年11月11日21時42分):記事内容を全面的に更新しました。

※追記(2023年2月4日13時57分):記事表示の不具合により再アップしました。

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