泉北高速鉄道は1月19日、泉北高速鉄道線(大阪府)の運賃を10月1日に改定すると発表した。消費税率の引き上げに伴うものを除くと運賃改定は25年ぶり。平均3.54%の値上げだが、子供運賃は一定の条件下に限り大幅に値下げする。
現在の実施運賃は国から認可されている運賃の上限額より安く設定されている。10月の改定では大人の普通運賃と通勤定期運賃を上限額まで引き上げる。
普通運賃は各区間10円の値上げ。初乗り(1~2km)は現在の170円が180円に、中百舌鳥~和泉中央14.3kmでは現在の330円が340円に改定される。通勤定期運賃は大人・1カ月の場合で各区間410~420円の値上げ。中百舌鳥~和泉中央では現在の1万3100円が1万3510円に変わる。通学定期運賃は現行額を据え置く。
一方、子供の普通運賃は現行額を据え置くが、IC運賃は各区間とも一律50円に値下げ。中百舌鳥~和泉中央ではICカードを利用すると磁気券(170円)の7割引になる。
泉北高速鉄道は運賃改定の理由として「新型コロナウイルス感染症を契機とした働き方の多様化や沿線人口の減少に伴う収入減が続くなかで、全駅へのホームドア設置をはじめ、車両・設備の更新等の安全に関する投資財源を確保し安全・安心な輸送サービスを提供すること」を挙げている。その一方、子育てしやすい環境を提供するとして子供運賃の一律50円化を図るという。
ICカードによる子供の一律50円運賃は昨年2022年3月、関東大手の小田急電鉄が導入。泉北高速鉄道は2例目になり、関西の鉄道に導入されるのはこれが初めてだ。
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