長崎電軌4号系統「大幅減便」にあわせ乗換停留場の追加と短距離の値下げ



国土交通省の九州運輸局は7月27日、長崎電軌が申請していた旅客運賃の適用方法の変更を認可した。9月1日に実施される。4号系統の減便に対応するため乗換可能な停留場を増やすほか、短距離利用時の運賃を実質値下げする。

長崎電軌の4号系統。【画像:トラムーる/写真AC】

4号系統は蛍茶屋~崇福寺の2.9kmを結ぶ運行系統。現在は6~22時台に両方向あわせ1日90本近く運行されているが、9月1日からは朝夕のみの運行に。運行本数は合計24本で大幅な減便になる。日中に4号系統と同じ区間で移動する場合、区間によっては他系統を乗り継ぐ必要がある。

このため長崎電軌は、電車を乗り継いでもICカード利用時に限り1回分の運賃で利用できる「IC乗換え電停」を増やし、運賃額が変わらないようにする。現在の「IC乗換え電停」は新地中華街停留場と市民会館停留場の2カ所だが、9月1日からは西浜町停留場と長崎駅前停留場が加わり計4カ所になる。

たとえば、蛍茶屋~(5号系統)~西浜町~(1号系統)~崇福寺や崇福寺~(1号系統)~長崎駅前~(3号系統)~崇福寺というように乗り継げば、4号系統の利用時と同様に1回分の運賃で利用できる。

「IC乗換え電停」は現在2カ所だが9月1日からは4カ所に増える。【画像:国土交通省】

このほか、短距離利用時の運賃を安くする「ICチョイ乗り割引」も9月1日から実施。長崎駅前~桜町~市民会館や出島~新地中華街~メディカルセンターなど2区間内なら、ICカード利用時に限り全線で所定運賃より40円安い100円になる。

長崎電軌は「近年の少子高齢化や県外への人口流出等の中、不採算系統についても運行を維持して参りましたが、新型コロナウイルスの影響が乗客減少に拍車をかけて収入は大幅に落ち込み不採算系統を維持することが大変困難な状況」とし、運行の効率化・合理化を図るため4号系統を減便するとしている。

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