横浜市営地下鉄ブルーライン「延伸」駅・トンネルの構造設計に着手へ



横浜市交通局は横浜市営地下鉄ブルーラインの延伸に向け調査を進めている。本年度2022年度は地質調査などを引き続き行うほか、施設の設計を行う。

ブルーラインの列車。【撮影:草町義和】

横浜市が公表している発注情報や発注見通しなどによると、3度目となる土質調査の一般競争入札を7月12日に公告。延伸区間の地層区分や土地の物理・力学特性などを調査する。開札は7月27日、履行期間は契約締結日から来年2023年2月24日。

また、2022年度の第4四半期に延伸区間の設計業務を発注する見通し。駅やトンネルの構造設計と仮設計画を委託する。ブルーラインの延伸区間は2020年1月に概略ルートと駅位置の図が発表されたが、駅は直径約500mの円で描かれており、詳細な位置はまだ決まっていない。

ブルーラインは小田急江ノ島線・相鉄いずみ野線の湘南台駅(神奈川県藤沢市)から横浜市の中心部を通って東急田園都市線のあざみ野駅(横浜市青葉区)を結ぶ40.4kmの地下鉄路線。あざみ野駅から小田急小田原線・多摩線の新百合ケ丘駅(川崎市麻生区)まで約6.5km延伸することが計画されている。既設のあざみ野駅のほか嶮山付近、すすき野付近、ヨネッティー王禅寺付近、新百合ヶ丘駅南口付近に駅を設ける。概算事業費は約1720億円。

2020年1月に公表されたブルーライン延伸区間の概略ルートと駅位置。【画像:横浜市・川崎市】

横浜市は横浜と川崎市北部、多摩地域を結ぶ新たな都市軸の形成や災害などによる輸送障害発生時の代替経路の確保、横浜市北西部や川崎市北部・多摩地区などから新幹線駅である新横浜駅へのアクセス機能の強化などの効果があるとしている。

ブルーラインの延伸は2016年の交通政策審議会答申第198号に盛り込まれ、横浜市は2019年1月に事業化判断を発表。2020年1月に概略ルート・駅位置を決め川崎市と合意した。開業目標時期は198号答申の目標年次として設定された2030年としている。

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