「緊急停止」連続の八高線で26年ぶりSL運転 群馬キャンペーンで臨時列車や団体列車



JR東日本は4月1日~6月30日に実施するJRグループの大型観光キャンペーン「群馬デスティネーションキャンペーン」(群馬DC)にあわせ、群馬県を中心としたエリアで臨時列車や旅行商品専用の団体列車を運転する。八高線では26年ぶりに、蒸気機関車がけん引するSL列車が走る。

高崎エリアを中心に運用されている蒸気機関車のC61形20号機。【撮影:草町義和】

4月4日、上越線の高崎~水上間でSL列車の快速「群馬DCオープニング号」(下り)と快速「ダブルSLぐんま号」(上り)が運転される。いずれも蒸気機関車のD51形498号機とC61形20号機を2両連結(重連)して、高崎支社の旧型客車6両をけん引。高崎の旧型客車はリニューアル改造が進められており、4月4日の運転はリニューアル後初の運転になる。

翌4月5日は快速「さいたま×ぐんま号」(下り:熊谷→横川)と快速「ELぐんま よこかわ」(上り:横川→高崎)が運転される。車両は旧型客車6両。けん引する機関車は「さいたま×ぐんま号」の熊谷~高崎間が電気機関車で、高崎~横川間は先頭に蒸気機関車、後方に電気機関車を連結する。上り「ELぐんま よこかわ」は先頭が電気機関車、後方が蒸気機関車になる。

旅行商品専用の団体列車は次の通り。高崎を中心としたエリアで運転されている蒸気機関車や観光車両のほか、東北や千葉の観光車両も使われる。

●リゾートしらかみ八高号
・車両:キハ40系気動車「リゾートしらかみブナ」 ※「ブナ」は木偏に無
・運転日:4月11日
・運転区間:高崎~高麗川

●リゾートしらかみ吾妻号
・車両:キハ40系気動車「リゾートしらかみブナ」
・運転日:4月12日
・運転区間:高崎→万座・鹿沢口(下り)、川原湯温泉→高崎(上り)

●B.B.BASE in ハルヒル
・車両:209系電車「B.B.BASE」
・運転日:5月16日(下り)、5月17日(上り)
・運転区間:両国~高崎

●やまどり尾瀬夜行
・車両:485系電車「リゾートやまどり」
・運転日5月22・29日(始発日)
・運転区間:新宿→沼田

●DL&SL八高号(上り)
・車両:ディーゼル機関車+旧型客車4両+蒸気機関車
・運転日:5月24日
・運転区間:高崎→寄居

●DL&SL八高号(下り)
・車両:蒸気機関車+旧型客車4両+ディーゼル機関車
・運転日:5月24日
・運転区間:寄居→高崎

●SLぐんま横断号
・車両:蒸気機関車+旧型客車5両
・運転日6月28日
・運転区間:横川→桐生

「DL&SL八高号」が走る八高線は、中央本線の八王子駅(東京都八王子市)から高麗川駅(埼玉県日高市)や寄居駅(埼玉県寄居町)などを経由して高崎線の倉賀野駅(群馬県高崎市)に至る92.0kmの路線。現在は高麗川駅を境に八王子寄りが電化路線で、倉賀野寄りは非電化。非電化区間の列車は高崎線に乗り入れて高崎駅まで走る。

八高線では1970年までに蒸気機関車が引退。その後は国鉄100周年の記念列車(1972年)や、同線の旧型保安システム(タブレット閉そく)の運用終了に伴う記念列車(1994年)を蒸気機関車がけん引している。

1994年の高麗川~高崎間の運転では、蒸気機関車を写真に撮ろうと沿線に人が殺到。線路内への立ち入りでSL列車は何度も緊急停止したほか、群馬藤岡~北藤岡間の相生踏切(群馬県藤岡市)で非常ボタンが押されて停止したこともあり、高崎駅には所定ダイヤより約10分遅れて到着した。