国土交通省の北海道運輸局は3月8日、岩見沢市が「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」(活性化法)に基づき申請していた「地域旅客運送サービス継続実施計画」を認定した。北海道中央バスと岩見沢市が運行していた国鉄万字線の代替バスが廃止され、4月1日から新しい旅客運送サービスに移行する。
実施計画によると、新しい旅客運送サービスは10人乗り程度のワゴンタイプ車両を使用。地元タクシー会社の日の出交通が乗合定期運行を行う。従来の路線バス万字線の路線をカバーしつつ、一部路線が重複していた無料の市営バス万字線の路線もカバーする。
ダイヤは路線バス万字線をもとに、利用状況を踏まえた時間帯で運行。バスロケーションシステムを導入し、利用者のスマートフォンなどに情報提供することで利便性の向上と地域旅客運送サービスの維持を図る。
従来の路線バス万字線は岩見沢ターミナル~教育大学間を考慮したダイヤ設定だったが、新サービスでは東部丘陵地域住民に配慮したダイヤや路線とすることで利用者の増加を図る。また、車両を大型バスからワゴンタイプ車両へ変更することで赤字の縮小や、岩見沢市の負担額の縮小を図る。運行経費は約60%減少するという。
国鉄万字線は室蘭本線の志文駅と万字炭山駅を結んでいた23.8kmの国鉄線。列車は室蘭本線に乗り入れて岩見沢~万字炭山間で運行されていた。1914年、万字炭鉱で産出される石炭輸送を目的に万字軽便線として開業し、1922年に万字線に改称。炭鉱の閉山や沿線の過疎化で利用者が減り、1985年に廃止された。
これに伴い、同線に並行していた北海道中央バスの路線バス万字線が代替バス路線として増発。のちに市営バスの運行も始まった。しかし、沿線の人口減少に伴い路線バス万字線の利用者も減少して維持が難しくなったことから、廃止されることに。岩見沢市は昨年2021年7月から代替交通の導入に向け関係者との協議を開始し、同年10月には日の出交通を代替交通の事業者に決定。今年2022年1月26日付けで地域旅客運送サービス継続実施計画を申請していた。
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