くま川鉄道「一部再開」11月28日に 水害で流出・浸水、まず肥後西村~湯前から



くま川鉄道(熊本県)は10月29日、水害で全線運休中の湯前線について、11月28日に一部区間の運転を再開すると発表した。

くま川鉄道のウェブサイト。【画像:くま川鉄道】

再開区間は全体の約77%にあたる肥後西村~湯前間の19.0km。この区間は被害が比較的小さく、くま川鉄道は復旧工事の進展で整備・調整などの見通しが立ったとし、先行して再開することを決めた。

残る人吉温泉~肥後西村間5.8kmの復旧は「現在詳細設計中であり、時期は未定」(くま川鉄道)。引き続き代行バス(休日運休)が運行される。

11月28日以降の列車の運転時刻や代行バスの運行計画など詳細について、くま川鉄道は決まり次第案内するとしている。

11月28日以降の列車運転区間と代行バス運転区間。【画像:くま川鉄道】

くま川鉄道は人吉温泉~湯前間24.8kmの湯前線を運営。昨年2020年7月の豪雨で川村~肥後西村間の球磨川第4橋りょうが流失したほか、保有する5両がすべて浸水するなど甚大な被害が発生し、いまも全線が運休中だ。今年2021年5月までに、沿線の自治体などが鉄道施設を保有してくま川鉄道に無償で貸し付ける「上下分離方式」での全線復旧の方針が固まっている。

2020年7月の豪雨では、くま川鉄道と連絡しているJR肥薩線でも甚大な被害が発生。八代~人吉~吉松間が運休中で、代行タクシーが一部の区間のみ運行されている。再開のめどは立っていない。

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