栃木県の宇都宮市と芳賀町の関係者などで構成される宇都宮芳賀ライトレール線(芳賀・宇都宮LRT、2023年3月開業予定)の停留場名称検討委員会は4月15日、同線に19設けられる停留場の名称を選定した。今月4月中にも正式に決定される。
検討委が選定した停留場名は起点から次の通り(カッコ内は従来の仮称)。
●宇都宮駅東口(JR宇都宮駅東口)
※候補は「宮みらい」「宇都宮駅東口」
●東宿郷(宿郷町)
※候補は「今泉小学校前」「東宿郷」
●駅東公園前(東宿郷)
※候補は「駅東公園前」「市体育館前」
●峰(今泉町)
※候補は「峰」「峰北」
●陽東3丁目(陽東)
※候補は「陽東」「陽東3丁目」
●宇都宮大学陽東キャンパス(ベルモール前)
※候補は「陽東6丁目」「陽東小学校前」「宇都宮大学陽東キャンパス」
●平石(平出町)
※候補は「平石」「下平出町」
●平石中央小学校前(下平出)
※候補は「平石中央小学校前」「平石地区市民センター前」
●飛山城跡(下竹下)
※候補は「竹下町」「飛山城跡」「飛山城史跡公園前」
●清陵高校前(作新学院北)
※候補は「清原工業団地西」「清陵高校前」「清原中学校前」
●清原地区市民センター前(清原管理センター前)
※候補は「清原工業団地」「清原中央公園前」「清原地区市民センター前」
●グリーンスタジアム前(清原工業団地北)
※候補は「清原工業団地北」「グリーンスタジアム前」「清原北公園前」
●ゆいの杜西(テクノポリス西)
※候補は「ゆいの杜西」「テクノさくら公園前」「産業技術センター前」
●ゆいの杜中央(テクノポリス中央)
※候補は「ゆいの杜中央」「ゆいの杜小学校前」
●ゆいの杜東(テクノポリス東)
※候補は「ゆいの杜東」「ゆいの杜6丁目」
●芳賀台(芳賀台)
※候補は「芳賀台」「芳賀工業団地西」「けやき台公園前」
●芳賀町工業団地管理センター前(管理センター前)
※候補は「芳賀工業団地」「芳賀町工業団地管理センター前」「芳賀町バスターミナル前」
●かしの森公園前(かしの森公園)
※候補は「芳賀・高根沢工業団地南」「かしの森公園前」
●芳賀・高根沢工業団地(本田技研北門)
※候補は「下高根沢」「芳賀・高根沢工業団地」
仮称と完全に同じ名前の停留場は芳賀台停留場のみ。それ以外の停留場は仮称とは異なる名称が選ばれた。
検討委の選定基準によると、停留場名は所在地の地名や付近の公共施設、歴史文化施設、交差点などの名称を基本とし、難読名称や間違いやすい名称、特定の個人・法人の名称を避けるものとしていた。各停留場ごとに複数の案を設定し、宇都宮駅東口停留場は検討委が選定。それ以外の停留場は昨年2020年12月に実施した住民アンケートを踏まえて選定した。
検討委は4月19日にも宇都宮市と芳賀町に停留場名の提案書を提出する予定。4月中に正式決定される見込みだ。
芳賀・宇都宮LRTは、宇都宮駅を中心に東西を結ぶ全体構想のうち、東側の宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地の14.6kmが現在工事中だ。導入システムは路面電車タイプの軽量軌道交通(LRT)で、全線14.6kmのうち11.1kmは道路の路面に軌道を敷設する併用軌道、それ以外は電車専用の軌道空間を確保して整備する。軌道の大半が宇都宮市内だが、終点の芳賀・高根沢工業団地寄りは芳賀町内になる。
宇都宮市と芳賀町が軌道を整備し、第三セクターの宇都宮ライトレールが両市町から施設を借り入れて電車を運行する。
2018年の着工時点では2022年3月の開業を目指していたが、宇都宮市は今年2021年1月に用地買収の遅れなどから開業予定時期を1年遅れの2023年3月に変更することを発表。事業費も軟弱地盤への対応や豪雨災害対策の強化などで膨れあがり、当初の458億円(宇都宮市・芳賀町の合計)からほぼ1.5倍の684億円になった。
宇都宮市は2018年12月に行った試算で、事業費膨張の可能性を把握していた。昨年2020年11月の市長選の時点では試算結果を公表せず、今年2021年3月、報道各社の情報公開開示請求によって、市長選前に事業費膨張の可能性を把握していたことを明らかにした。
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