地下鉄銀座駅がリニューアル「光る柱」「地上の写真」で案内 「爆撃跡」どうなった

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東京地下鉄(東京メトロ)が進めている銀座線の駅のリニューアル工事のうち、5駅の工事がほぼ完了した。このうち銀座駅(東京都中央区)が10月16日未明、報道関係者に公開された。

リニューアルされた銀座駅の改札内コンコース。柱はレモンイエローで輝き、天井には円形のオリエンテーションサインが設けられた。【撮影:草町義和】

銀座駅は銀座線のホーム・改札口のほか、同駅に乗り入れている丸ノ内線と日比谷線もリニューアルが行われた。各線の改札とホームには、ラインカラーにあわせた色でライトアップする「光柱」が設置され、報道関係者への公開で初めて点灯された。

銀座線の光柱はレモンイエロー。【撮影:草町義和】
丸ノ内線はチェリーレッドの光柱が設けられた。【撮影:草町義和】
日比谷線の光柱はシルバーホワイト。【撮影:草町義和】

改札内コンコースの天井には、「オリエンテーションサイン」という案内表示を設置。地上にある有楽町マリオンや銀座三越など、周辺のビルを下から見た写真がデザインされた。

また、各線の改札内コンコースの形状にあわせ、銀座線は円、丸ノ内線は三角、日比谷線は長方形のデザインが採り入れられた。各線ごとにデザインを分けることで、地下にいても現在いる場所や乗換ルートを分かりやすくしたという。

日比谷線改札の天井に設けられたオリエンテーションサイン。【撮影:草町義和】
丸ノ内線改札のオリエンテーションサインは三角形。【撮影:草町義和】

銀座線のホームは、トンネルの側壁に銀座100年間の街並みの変化をデザイン。列車の進行方向にあわせ、1920年から時系列で銀座の写真が配置されている。銀座線側の一部の地上出入口もリニューアルされ、ガラスを全面に配置。銀座の街並みに溶け込むようにデザインしたという。

銀座線ホームの側壁に設置された、銀座100年間の街並みの写真。【撮影:草町義和】
地上出入口も一部がリニューアルされた。【撮影:草町義和】

このほか、改札外のコンコースには、アーティストの吉岡徳仁氏が制作したパブリックアート『光の結晶 / Crystal of Light』を設置。縦1.65m、横3.5mほどの大きさで、一辺6cmほどの六角形クリスタルガラスを組み合わせている。吉岡氏によると、光の輝きで世界地図を表現しているという。

改札外コンコースに設置されたパブリックアート『光の結晶』。【制作:吉岡徳仁/撮影:草町義和】

銀座線では開業90周年を控えた2011年頃から全面的なリニューアルが進められており、これまでに新型車両の導入とホームドアの設置(渋谷駅除く)が完了している。駅のリニューアル計画は2012年から始まっており、これまでに神田~浅草間各駅のリニューアルが完了。今年2020年10月16日には、外苑前・青山一丁目・銀座・京橋・日本橋の各駅のリニューアル工事がほぼ完了したと発表された。このうち銀座駅は工事費約220億円で、2017年の着工から3年かかった。

東京メトロの関係者によると、新型コロナウイルスの影響もあり、全駅のリニューアルの完了は時間がかかる見込みだ。

■「銀座空襲」の痕跡が工事で露出

銀座駅は1934年、東京地下鉄道(現在の銀座線)の駅として開業。経営が帝都高速度交通営団(営団地下鉄)に移ったあとの1957年に丸ノ内線の西銀座駅が開業した。1964年には日比谷線も銀座駅に乗り入れるようになり、同時に西銀座駅が銀座駅に統合された。

銀座駅の銀座線ホームは戦時中の1945年1月27日、「銀座空襲」で大きな被害が発生。米軍のB-29爆撃機が投下した爆弾がホームの新橋寄りを直撃し、浅草方面行きの列車が走る線路側の天井が一部崩壊した。鋼材を埋め込むなどして駅の構造体が修繕され、1年ほどかかって復旧した。

今回のリニューアル工事では、銀座線ホームの側壁に設置していた化粧パネルなどが撤去されたことで、爆撃された部分が露出。一時は被害の状況や、どのように修繕したのかが、ホームからはっきり見られるようになっていた。

リニューアル工事で化粧板などが撤去された頃の銀座線ホーム新橋寄り(2019年2月)。浅草方面行きの列車が走る線路の側壁や天井に修繕の跡(左奥)がある。【撮影:草町義和】
リニューアルに伴い、爆撃の痕跡は再び一部が見えなくなった。【撮影:草町義和】

爆撃された部分を保存して公開すべきとの声もあったが、リニューアル工事は計画通り実施。爆撃の痕跡は銀座100年間の街並みの変化をデザインした写真で、再び一部が見えなくなった。

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